香港マイルでは最大の敵とされていたエイブルフレンドだったが、陣営は敗れた理由として「馬が本調子ではなかった」とコメント。しかし、モーリスが本調子ではなかったのも事実。現にレースの週は軽いキャンターでも大汗をかき、追い切りの日程がずれるほどだった。それでも、そこは流石に百戦錬磨の堀厩舎。レースまでに体調を整えて見事に結果を出している。エイブルフレンドの本調子ではないという言い訳が虚しく聞こえるほどだ。

　今回はそんなエイブルフレンドが参戦してこない上に、香港競馬を知り尽くしたモレイラとのコンビ。馬場も経験済み。休養明けは体調不良があったとしても負けていないという心強いデータも重なり、モーリスにとっては追い風だらけ。よほどのアクシデントがない限り負ける要素が皆無に等しいとなれば期待度は最高潮だ。この最強タッグが世界の競馬界を震え上がらせるパフォーマンスを見せてくれることに期待したい。

text by Kazuhiro Kuramoto