福士、発表まで「落ち着かなかった」 マラソン代表選手がリオへ意気込み

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佐々木「一番影響を受けたのは鎧坂」

一夜明けてすでに視線はリオへ向いている男子マラソンの選手たち 【写真:田村翔/アフロスポーツ】

(旭化成のチームメイトである鎧坂哲哉選手に刺激を受けて、自分の取り組みを見直したと語っていたが)いろいろ今まで通りではダメだと思って、変えていかないといけないと思っていました。(鎧坂選手の練習を見て一番驚いたのは)単純に質が高いので、「よくそんな練習できるな」と思いました。それと、今までにないやり方をやっていたので、そういうのはある程度、「自分で(練習を)こうしたい」というのを言わないとダメだなと思いました。

(鎧坂選手はあまりジョギングをせず、ポイントで質の高い練習をこなすスタイル。それをどうマラソンへ落とし込んでいったのか)鎧坂は鎧坂でジョギングはあんまりしないスタイルでやっていると思うんですけど、自分はまたそれとは違うと思っています。ただ、鎧坂はそのなかでも自身の思うところををやっていた。じゃあ、どうしたら自分の持ち味、競技力を伸ばせるのかと考えてやりました。

 変えたことのひとつは食事。ゆっくり食べるようにして、あまり炭水化物は取らないようにした。前は普段から(炭水化物を)けっこう取ってたんですけど、(長い距離を走る前も)極力、取らないようにして、代謝を変えようと。脂質をうまく使って走れるようにしました。いろいろな話を聞いたんですけど、そういう論文もあると聞いたので、やってみようと思いました。(実際にやってみた感触は)最初はジョギングの時、やっぱりボーッとしたり、スタミナ切れのような感じがあったんですが、1カ月くらいしたらそれもあんまりなくなってきました。代謝が変わった実感はあったので、それは良かったと思います。

(体重の変化は)緩やかに落ちていきました。40キロ(走)とかやっても体重がなかなか減ったり増えたりしなくて、もうちょっと落としたいと思っていたので、いろいろ相談して。(体重はどれくらい減ったのか)2〜3キロは落ちたと思います。けっこう落ちたんで、走っているときに体が軽く感じるのかなと思ったんですけど、あまり感じませんでした(笑)。でも、スタミナ切れはあまり怖くなくなったので、それは良かったと思います。

(他に影響を受けた選手は?)一番影響を受けたのは鎧坂です。後輩としていい新人が入ってきて、このまま結果を出せなかったら居場所がないなと思っていました。そんななかで鎧坂もいろいろな取り組みをしていたので、そこは見習わないとなと思いました。

(体重以外に、代謝を変えようと思った理由は)夏合宿でちょっと力が入らない、スタミナ切れみたいになったんですけど、それがあまりにも早くきたりしたので、どうにかして原因を探りたいと思いました。最初はアレルギーを疑って検査したら全くなくて、ちょっとガッカリしたんですけど(笑)、その後、栄養バランスを見てもらって、病院の人にいろいろ相談して、食事の取り方、スピードを変えたらいいのではないかっていうアドバイスをもらいました。

北島「一安心」も、今は「五輪を意識している」

 びわ湖毎日マラソンが終わって、「代表選出は確実」と言われていたので、自分の中では選ばれるつもりで待っていましたが、昨日は一安心しました。今はもう切り替えて、五輪を意識しています。

 北九州で会見してすぐに移動したので、家族とはメール、LINEをしただけでした。東京に着いたのは22時半くらいで、もう遅かったので、実家に電話したくらいです。妻には今日の朝に電話しました。

 シドニーマラソンを走って結果が良かったので自信は持っていましたが、びわ湖を走れば(結果を出せば)五輪があるんだというくらいで、最初は、リオの代表を狙って走ろうとは強く思っていなかったです。ただ、今年のニューイヤー駅伝を走り終わって、周囲が五輪ムードになり、自分がというよりも取材などの感じで、注目選手と言われるようになり、だんだん意識しました。びわ湖の直前は、あえて意識しないように心掛けました。

(1人で練習しているとのことだが)チームでポイント練習等はしています。ただ、ポイント練習の数を減らして、自主トレをやっています。もともとその形でやりたい気持ちがありました。大学(東洋大)の時に当時の監督・川嶋(伸次)さんの話で、「ポイント練習は文字通り“点”であって、線でつなぐのは普段の自主練だ」というのがあり、自分の中でもテーマのひとつと考えていたので、ポイント練習のあとの自主練が自分を強化するための本当の練習だと思ってやっていました。

(リオに向けた調整は)1日1日の体調を監督と話しながら、任せてもらえるところは任せてもらうというつもりでいます。

石川「フレッシュな状態でスタートラインに立てるかが鍵」

(現役を引退し中央大の監督に就任した)藤原(正和)には会ってないのですが、「おめでとうございます」というメッセージはもらいました。

(発表から一夜明けてあらためて心境を)マラソンでは初の日本代表なので、本当にすごくうれしく思います。五輪代表、日本の代表ということで身の引き締まる思いで、(レース当日の)8月21日に最高のパフォーマンスができるようにこれからしっかり準備していきたいと思います。

(暑さに対する不安は?)得意というわけでもないですけど、苦手意識もないので、自分の持ち味である粘りを生かせれば十分勝負はできるかなと思います。(レースのイメージは)まだそこまでできていないので、これから監督やコーチとじっくり話をしながらイメージを作っていきたいです。(合宿地など本番までの流れも)まだ全然決まっていません。どこで(合宿を)やりたいとかの希望も特にないです。(今まで)2〜3月の東京マラソン、びわ湖(毎日)マラソンに出た時は、その次のレースが9月のベルリンマラソンだったので、その流れでいければなと思っています。

(五輪へ向けてどこを強化したいか?)あと5カ月なので、劇的に強くなるってことはないと思います。いかにフレッシュな状態でスタートラインに立てるかが鍵になると思うので、練習のやり過ぎもダメですし、そこのメリハリを見極めながらやっていこうと思っています。

(36歳という年齢に対して)疲労が溜まっても抜き方とか、いい意味でのサボり方が分かっているので、その辺は今までの経験を生かせればなと。(意識いしているケアとして)ジョッグがきつかったら量を減らしたり、1日休みの日を作ったり、あと栄養面では3食しっかり食事を取ったり、ということを心掛けています。当たり前のことを当たり前にやれれば。

(夏のマラソンは)初めてです。ただ夏合宿とかで40キロ走などの走り込みは、ベルリンマラソン(前)の時に過去2回走っていますし、しっかりやれてはいます。

(マラソンのレース当日までの持っていき方をどう考えているか)マラソンは社会人に入って、すぐ自分のなかではやりたかったんですけど、けがが続いたり体調を崩したりというところが多かったので、初マラソンが32歳という遅さになりました。(マラソンは)6回目ですけど、自分のなかではしっかり準備をしてスタートラインに立って、しっかり結果を出せたというのが、自分の中の強みかなと思っています。それが8月21日にしっかり合えば、外しはしない安定した走りができるかなとは思っています。

(マラソン五輪代表の他の5人と会話はしたか?)男子の2人とは話をしました。「この後どうするの?」という、まあ探りじゃないですけど(笑)。レースにしろ、今後の合宿日程などを聞いたりしました。コース図などはいただいたので、これからじっくりイメージします。

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