C・ロナウドは英雄か? 悪役か? 高い得点率も、繰り返す自己中心的な言動

白熱するC・ロナウドをめぐる議論

マドリディスタたちの間ではC・ロナウドをめぐる議論がたびたび繰り広げられている 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】

 さらにC・ロナウドは今季、リーガにおけるレアル・マドリーのクラブ歴代最多得点を保っていたラウール・ゴンサレスの記録(550試合228ゴール)を、彼の半分以下の試合数で塗り替えるという偉業も実現している。レアル・マドリーでプレーした全公式戦でのゴール数と得点率(335試合352ゴール、1試合平均1.05ゴール)でも、彼はラウール(741試合323ゴール、同0.44)やアルフレド・ディ・ディステファノ(396試合307ゴール、同0.78)を大きく引き離すとてつもない記録を更新し続けている。

 これだけの記録を打ち立てながら、今後もマドリディスタたちはC・ロナウドにブーイングを浴びせ続けるのだろうか。うそのような話ながら、首都マドリーのテレビやラジオでは引き続きそんな議論が繰り広げられている。

 レアル・マドリーはC・ロナウドの31歳という年齢を考慮し、超高額な市場価値を保っている今のうちに彼を放出すべきだ、と主張する者は多い。一方で、彼は唯一無二のストライカーであり、パフォーマンスの低下が指摘されているのは今季のチームが彼の足を引っ張っているからだと擁護する者もいる。

 果たしてレアル・マドリーがCL決勝トーナメント1回戦において、C・ロナウドのゴールによってローマを破り(2戦合計4−0)、準々決勝に勝ち進んだ今も、こうした議論は延々と続いていくのだろうか。過去の経験から見て、恐らく大多数のファンやメディアはそれらの話題をあっさりと忘れ去るに違いない。その傍ら、C・ロナウドは今後もゴールを決め続け、チームの出来とは関係なく世界のトップレベルに立ち続けるのであろう。

(翻訳:工藤拓)

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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