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復帰する“覚悟”を決めた世志琥
奈七永を見て再燃したプロレスへの思い

先輩や仲間に会えなくなることが嫌だった

完全にプロレス界とは離れていた世志琥。その間は建設業の仕事をやり始めていた
完全にプロレス界とは離れていた世志琥。その間は建設業の仕事をやり始めていた【スポーツナビ】

――あの試合のことは一般世間でもかなり話題になっていたし、当然本人の耳にもいろいろ厳しい意見も入ってきたと思います。その中で当時まだ21、22歳の世志琥選手としては今後の不安とかあったんじゃないですか?


世志琥 うーん、でも辞める前のほうが「これからどうしよう」っていう不安はありましたね。とくに「引退します」って正式に発表するまで、メールとかがすごい数来ていたので、やっぱり「どうしよう」って不安になりました。


――引退後は何をされていたんですか?


世志琥 あの試合から引退が発表されるまでの間に、引退した後のことも考えて仕事先を探したりとかしていたんですよ。だから引退セレモニーのあとすぐ建設業の仕事をやり始めていました。


――元々、世志琥選手はプロレスが大好きでしたよね。引退したあと、プロレス界のことは気になりませんでしたか?


世志琥 全然(情報を)入れてなかったです。何も見なければ入ってこないですから。


――ほかの選手で、一度引退したけど「リング上でスポットライトに照らされて、大歓声を浴びる快感が忘れられない」という話はよく聞くじゃないですか? そういう感覚はなかったですか?


世志琥 自分は全然そういう感じはなかったです。自分がプロレスラーを辞めるときに嫌だなって思ったのは、一緒に頑張ってきた仲間とか先輩とかと、もう会えなくなることだったんですよ。あの辞め方ではもう会うことはないなって。本当に一切プロレスに関わるのをやめたんです。

進化している高橋奈七永を見て「プロレスすげぇ」

――それだけプロレス界と離れていた世志琥選手が、突然昨年11月25日のシードリング後楽園大会を観戦したキッカケはなんだったんですか?


世志琥 あの大会に十文字姉妹(DASH・チサコ&仙台幸子さん/センダイガールズ)が出場したじゃないですか? その前に(仙台幸子さんが)引退するという話を本人から頂きました。でも引退試合は仙台でやると知って「見られないな」と思っていたんですけど、シードリングの後楽園に出るっていうのを知ったら、どうしても見たくなってしまって。その日は仕事があったんですけど、すごい雨が降ったお陰で休みになったので、会場に行けたんです。


――話は前後しますが、高橋奈七永選手がスターダムを退団して、シードリングを立ち上げたのは知っていたんですか?


世志琥 知ってました。というか、高橋さん本人が実家まで来てくれていたんです。


――そのことは奈七永選手が自身のブログに綴っていました。最初のうちはなかなか会話もしてくれなかったけど、徐々に話せるようになってきてから、またプロレスをやってほしい気持ちを伝えたとのことですよね。


世志琥 それでもやろうとは思わなかったです。というか、もう自分はプロレスのことを考えたくなかったんで、正直「なんてお節介なんだ」って思ってました(苦笑)。


――それでも奈七永選手のそういった行動もあって、シードリングの存在を知って、そこに十文字姉妹が出ることを知って観に行く気になりました。実際久しぶりに生でプロレスを見てどう思いましたか?


世志琥 率直に「プロレスすげぇ」って思いました。映像とかも含めて、本当にそれが辞めてから初めて見るプロレスだったんですけど、見ていて震えましたね。


――メインイベントで奈七永選手は浜田文子選手と組んで、アジャ・コング選手&井上京子選手と対戦でした。奈七永選手にも以前とは違う印象を受けたんじゃないですか?


世志琥 そうですね。本人にも「あんな高橋さん、初めて見ました」って言ったんですよ。見た目から何から全部違っていたし、しばらく見ない間に進化しているなって。


――十文字姉妹の試合を目当てにシードリングに行ったけど、メインを見て奈七永選手が一番印象に残った?


世志琥 最後に全部持っていかれた感じですね。この大会を観て……もっと言えばメインを見て、正直「プロレスやりたい!」って思ってしまいましたね。自分があのリングにいることをすごい想像しました。

止まらなかった「プロレスをやりたい!」という気持ち

――妄想というか、自分だったらどう闘うとかイメージするようになってしまったんですね。一度引退して1年足らずで復帰というのは、どうしても早いという印象です。それだけに悩みましたか?


世志琥 悩みました。自分の中でのプロレス人生は終わっていたんです。でもああいう終わり方だったから、もし復帰するとしても周りの反応とかも考えたし悩みました。


――すでにプロレスとは関係ない仕事もしていましたし、そのままならこれ以上バッシングを受けることもなかったかもしれません。プロレス界を騒がせるぐらいなら、このままプロレスに関わらないほうがいいんじゃないかっていう思いはありましたか?


世志琥 それはありましたね。プロレス界にもそうだし、シードリングにも迷惑をかけることになると思いましたね。自分が帰ってきちゃったら、何かしら起こってしまうじゃないですか? でも、寝ても覚めても、自分が復帰したあとのことを考えてしまって……。それで自分は本当にプロレスが好きなんだって。正直、やり残したこともあったし、そういうものをすべてひっくるめて「プロレスをやりたい!」って思いましたね。


――プロレスを辞めたあとの仕事で、奈七永選手のようなすごく影響を受けるような人との出会いとかはなかったんですか?


世志琥 こう言っては何ですけど、自分が好きで始めた仕事じゃなかったんですよね。あくまで生活のための仕事。プロレスより好きが勝るものではなかったから、影響を受けるような人とか、すごいって思えるような人に出会えなかったですね。

佐瀬順一

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