最高の感触を抱くバルセロナ CLアーセナル戦は極上のショーに

2カ月ぶりに再開されるCL

CLでバルセロナと対戦するアーセナルは、首位のレスターを下しプレミアリーグの首位争いに火をつけたばかり 【写真:ロイター/アフロ】

 バルセロナには、他とは一線を画する、特別なフットボールの美学を持っている選手が何人もいる。すでに語り尽くされてきたメッシについてあらためて言及する必要はないだろう。1982年に当時アヤックスでプレーしていたヨハン・クライフが行って以降、ほとんど目にすることがなかったあの”間接PK”(14日のセルタ戦で、直接シュートせず横に短くPKを蹴り出し、後方から走り込んだスアレスに決めさせた)は、常に異なる何かを求め続ける、彼の求道心を強く感じさせた。

 また極めて優雅な、しかし実用性は低いランブレッタ(ヒールリフト)のような技を使ってマークを巧みにかわし、観客を沸かせたネイマールの大胆な遊び心も賞賛すべきものだ。

 バルセロナファンがこの上ない感触を抱いているこのタイミングで、2カ月ぶりにUEFAチャンピオンズリーグ(CL)が再開した。2月23日(現地時間)にバルセロナと対戦するアーセナルは、長年美しいプレースタイルを維持してきただけでなく、14日に行われた試合で、首位のレスター・シティを下してイングランド・プレミアリーグの首位争いに火をつけたばかりだ。

 それはCL屈指の好カードであるアーセナル対バルセロナが、これ以上ない最高のタイミングで行われることを意味している。

(翻訳:工藤拓)

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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