福岡を“約束の地”へと導いた中村北斗 7年ぶりの古巣復帰、葛藤の末の目標達成
久しぶりに響いた“北斗節”
5年ぶりのJ1復帰を決めた福岡。しかし、スタートラインに立ったにすぎない 【写真は共同】
そして、チームをJ1へ導くゴール。誰もが待っていた北斗のゴール。その瞬間、誰もが涙を流した。本人に、そんな話を伝えると、こんな言葉が帰ってきた。
「いや、ゴールを一番決めてほしいと思われているのは城後(寿)でしょ。僕自身もそういう気持ちがある。自分は二番目、いや三番目くらいかな」
それもまた、北斗らしい言葉だ。そして、こうも話した。
「古くから福岡を応援してくれているサポーターの中には、自分が決めることで喜んでくれた人もいると思う。もし、いまサッカー人生を終えると仮定すれば、一番何が残っているのかと聞かれたら、真っ先に思い浮かぶゴール」
かくして、J1昇格を決めたいま、次のように話す。
「いまはホッとしている。けれど、J1が、そんなに甘くはないのは分かっている。もっと危機察知能力を上げないといけないし、今日の玉田(圭司)さんのゴールがJ1のゴール。あれが当たり前になるので、もっと、もっとレベルアップしなければいけない。上がっても、すぐに落ちてくるのであれば意味はない。しっかりと土台を築きあげていきたい」
福岡へ戻ってきた目標の一つは果たした。けれど、それはスタートラインに立ったという意味しか持たない。大切なのはこれから。J1で“福岡旋風”を起こすという気持ちを胸に、北斗は、これからもサポーターとともに戦い続ける。