ウムブルフが3戦目で強烈パフォーマンス ムーア&堀厩舎のディープ産駒に★7つ
競馬専門紙「優馬」の2歳馬チェック
ムーア&堀厩舎の鉄板コンビ炸裂! ウムブルフ
デビューから2戦続けて2着だったウムブルフが3度目の正直で勝ち上がり(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】
ウムブルフ 牡 馬体重:474kg
★★★★★★★ 7点〔GIIIクラス〕
騎手:R.ムーア 厩舎:(美) 堀
生産: 社台コーポレーション白老ファーム
父:ディープインパクト
母:ウミラージ(Monsun)
2戦続けて2着と惜しい競馬が続いていたが、3戦目にして待望の初勝利。最初の2戦はやや行きたがる素振りもあったが、今回は大外から好位につける競馬でも折り合いに問題はなかった。終始、外目を回る競馬だったが直線の伸びは一頭だけ違っていた。余力を感じさせる走りでラスト2Fを11秒2〜11秒5でまとめてみせた。好位から速い上がりを使えるというのは、上のクラス、それも2000m〜2400m辺りの距離ではかなりのセールスポイントになる。
馬体診断
初戦時は馬っ気、2戦目はプラス16キロと、紆余曲折あったが、3戦目の今回は体重増に中身が伴ってきた印象。毛ヅヤの良さがとにかく目立ち見栄えも良い。ちょっと気合いが入り過ぎるくらいに映るが、小気味良いステップで周回。この辺りが前々で競馬ができる所以だろう。母方はドイツ血統だが、重苦しさはなく軽い造り。繋ぎの長さや角度等々を踏まえても2000m〜2400m、3000m級でもやれそうな雰囲気がある。
血統診断
母ウミラージはドイツのGIIIで3着という実績。本馬の兄ヴォルケンクラッツ(父マンハッタンカフェ)はデビューこそ遅かったが、ダート1800mで3勝とまずまずの成績。母の父Monsunはドイツで走り、オイロパ賞連覇などの活躍を見せ、ドイツの年度代表馬にも輝いた馬。ちなみに、引退レースとなったアラルポカル(6着)の勝ち馬がディープインパクトの母ウインドインハーヘアである。Monsunは種牡馬としても成功し、日本で種牡馬入りしたノヴェリスト(キングジョージ)や、マンデュロ(プリンスオブウェールズS)、シロッコ(BCターフ)などを輩出。本馬のこういった血統背景から、2400m前後での活躍に期待したい。
馬券の狙い目→2400m級のレースでこそ狙いたい。息の長い活躍も期待できるタイプ。
小さな体に豊かな素質 サトノマルス
ロンドンブリッジ一族の素質馬サトノマルスがデビュー戦を快勝(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】
サトノマルス 牡 馬体重:430kg
★★★★★★ 6点〔OPクラス〕
騎手:川田 厩舎:(栗) 池江寿
生産:下河辺牧場
父:ディープインパクト
母:ゴッドフェニックス(ブライアンズタイム)
スタートは難なく出て好位へ。道中はやや外に張るような所があったのか、鞍上もその点に気をつけて乗るような感じ。特に揉まれるようなシーンはなく、直線を向いてあとは仕掛けるだけといったレースぶり。追い出してからも鋭く反応して楽勝、2着と3着馬の間は3馬身半も付いており、能力の高さは言うまでもない。ただ、全体的にまだ成長途上な印象も受ける。
馬体診断
430キロと小柄なのはやはり父の影響だろう。流石に胴回りは馬体重通りといった造りだが、歩様は力強く、思いの外ガッチリとした印象もある。距離は延びても対応できそうだが、本質的には1400m〜1600mくらいの方が良いだろう。全体的なシルエットのバランスは良いので、もう一段階、ボリュームアップしてくれば楽しめそう。
血統診断
母はダートの短距離で3勝だが、祖母ロンドンブリッジは桜花賞2着馬。母の兄姉にはオークス馬のダイワエルシエーロをはじめ、ビッグプラネット(アーリントンC)やダートのOPクラスで活躍したダイワディライトなどがいる。父と母父との組合せはまだ数が少ないが、今年のホッカイドウ競馬のチャンピオン、グランプリブラッドが出ている。母系に入ったダンジグやアホヌーラといった血から、快速スピード系を想起させるものがあるし、今後の成長力にも期待できるタイプ。
馬券の狙い目→1400m〜1600mが一番合っていそう。馬体の成長があればOP級でも。