リオ五輪に挑むサクラセブンズの可能性 「女子の7人制は世界に最も近い」
レスリングの練習でタックルを強化
1人目が低く入り、2人目が上半身を抑えるダブルタックルも効果を発揮した 【斉藤健仁】
実はサクラセブンズにはパンフレットに載っていないコーチが5人おり、アタックやセットプレーのコーチ以外にも、ディフェンス面は、4月から組織ディフェンスを担当する稲田仁コーチと、レスリング出身でストレングス&コンディショニングも担当する岩崎裕介タックルコーチの下、鍛えてきた。「1日5分でもレスリングの練習を入れてくれと言われていました。レスリングの練習をしない日はなかった」(岩崎コーチ) タックルを課題に挙げられて、個別にトレーニングを重ねてきた小出も「その成果が出たと思います!」と笑顔を見せた。
年間200日の合宿で強い体を作る
エース・山口のスピードはリオ五輪でも貴重な武器になりそうだ 【斉藤健仁】
現在、サクラセブンズは年間200日程度の合宿、遠征を重ねて強化を進めている。選手によっては、ウェイトトレーニングや、しっかりとした食事摂取などにより、この4年間で「7〜8キロほど体重が増えた」(浅見HC)選手もいるという。「強い体が強い心を作る。(相手より)勝ちたい気持ちが強かったことには自信があります」と浅見HCが言えば、「世界の舞台でたくさん負けを経験してきて、それがあったからこそのメンタル面の成長だったと思います」と中村主将は胸を張った。
「世界一テンポの速いラグビー」でメダルに挑む
中村主将は「まだまだここがスタートライン」と語った 【斉藤健仁】
サクラセブンズは、今年度から世界を転戦するワールドシリーズにも昇格、来年8月の五輪前に世界の舞台で戦うことが可能で、さらなる成長も期待できる。「私たちの強みは最後のカザフスタン代表戦でも見せた粘り強さ、ひたむきさというところです。ラグビーのうまさではなくて、見ている方に少しでも頑張っているなと思ってもらえるようなプレーを大切にしたい。年明けからもう一回走ります!」(浅見HC)
「女子の7人制代表が世界に最も近い」と日本代表の岩渕健輔ゼネラルマネージャーが言うように、この4〜5年の急成長は目を見張る。サクラセブンズは世界と対等に戦うことができるフィジカルとスピードを身につけつつ、持ち味である「世界一テンポの速いラグビー」に磨きをかけて、リオデジャネイロでメダルに挑む。