吉田麻也が挑む生き残りを懸けた戦い 「二足のわらじ」を履きこなせるか?
隙のない守備と積極的な攻撃姿勢
10月28日に行われたリーグ杯・アストンビラ戦では右SBとして先発出場、鮮やかなミドルシュートを決めた 【Getty Images】
実際、吉田の好プレーにスタンドが沸いたシーンがあった。ノルウェー代表FWのジョシュア・キングがペナルティーエリア内に侵入すると、吉田は安易に跳び込んだり、滑り込んでタックルを仕掛けたりせず、間合いをとって対応。落ち着いた動きと判断で突破を許さず、サポーターから拍手が起きた。久しぶりのCBにも「全然問題なかった。やっぱりCBの方がやりやすい。SBをやっていたから、心肺機能的にも楽だった」と手応えを口にした。
一方、前述のリーグ杯・アストンビラ戦では、右SBとして先発。立ち上がりから意識して攻撃に参加し、後半にはMFガストン・ラミレスとのワンツーから左足で鮮やかなミドルシュートを決めた。
「監督が前につけるプレーを好んでいるので、積極的なプレーを立ち上がりから見せたいと思っていました。ゴール? 技術というより、結果を出したい気持ちがボールに乗ったのかなと思います」
積極的な攻撃姿勢が、今シーズンの初ゴールにつながった。トップスピードに乗ったまま蹴り込んだ、技ありの得点だった。
生き残りを懸けて取り組む課題
吉田は自身の課題を「ミスを減らすこと」「集中力を90分間継続させること」と語る 【写真:ロイター/アフロ】
「本当に結果を出し続けていかないと生き残っていけない。1試合で満足せずにコンスタントに高いレベルでパフォーマンスを出していけることが大事だし、それが僕の課題でもある」
吉田が自身の課題として常に指摘している「ミスを減らすこと」「集中力を90分間継続させること」。それらをクリアし、右SBも高次元でこなすようになれば、選手としての幅はさらに広がる。だが、目指すその道は決して平坦ではない。11月21日に行われた第13節ストーク戦(0−1)で出番が最後まで訪れなかったように、高いレベルでのポジション争いに身を置くことで、もどかしさや悔しさを感じることもあるだろう。
世界中から猛者が集うプレミアリーグで吉田は、生き残りを懸けた戦いの真っただ中にいるのだ。