筒香嘉智をより成長させるプレミア12 理想の打撃を見せた米国戦の3打点

中島大輔

台湾に移って変化したメンタル

筒香(右)の後ろには絶好調の中田が控える。これにより筒香も力みなく打席に入ることができている 【Getty Images】

 身体、技術をレベルアップさせると同時に、メンタルコントロールもうまくできるようになっている。

 たとえば札幌ドームで行われたプレミア12の初戦、韓国戦では4打数無安打と結果を残すことができなかった。

「打ちたい、打ちたいとなっている」

 そう自己分析し、台湾入りしてから気持ちの持ちようを変えたことで状態を上げてきたのだ。

「メキシコ戦からすごく自分のリズムというか、いつも通りの感じで入れているのが一番いいと思います。後ろに中田さんがいるので、つないだら何とかしてくれるというのがある。変な力みもなく入れているのはすごく大きいですね」

 結果、米国戦では序盤の嫌なムードを変え、勝利の立役者になったのだ。

「国際大会でまた成長できていると思うので、もっともっと成長できるように。やっぱり世界一をとることが目標なので、気を緩めることなく全部の試合を勝てるように頑張っていきます」

 今大会後、筒香はドミニカ共和国に渡ってウインターリーグに出場すると報じられている。23歳の左打者が常に考えているのはどうすれば自分がレベルアップできるかだ。

 もちろん、今回のプレミア12もその通過点のひとつである。

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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