「大谷君が一番成長したところが出ていた」 ロッテ・井口が日本vs.韓国を解説
勝てて台湾に行ける最高の立ち上がり
2回に先制打を放った平田。2ボール2ストライクからのスライダーを見極めたことがタイムリーにつながったと井口は分析 【写真は共同】
「選手たちはプレッシャーもあったでしょうけど、今日の勝利でとりあえず肩の荷が下りたんじゃないでしょうか。打線も調子が良かったです。5番の筒香(嘉智)君もヒットは出なかったですけどいい当たりはしていましたから。課題があるとすれば、このメンバーでバントの場面になったときにどうか、ぐらいですかね。チームではクリーンアップを打っているメンバーばかりですからね。今日はたまたま平田君はヒットになりましたけど、ああいうところは普段チームでやっていないことをジャパンに入るとやらないといけないので、そういうところが逆に選手のプレッシャーになってくるとは思いますね。
投手陣もゼロで抑えて勝てたのも良かったです。『日本の投手陣がいい』と今後対戦するチームにもあらためて植えつけることができました。大谷君のあとのピッチャーもピンチをだいぶ作りましたけど、ピシャッといきましたから、やっぱりさすがだなという感じでした。できればクリーンアップは最後まで抑えてほしかったですけどね。あれで調子に乗ってきたら、今後は困るので……。あとは今日投げていないピッチャーの出来がどうか、ですかね。
ここ最近、トータルしたら勝っていない韓国に勝てたのは本当に大きいです。小久保(裕紀)監督が言っていましたが、予選を1位で通過して、決勝ラウンドに進みたい中で、韓国戦は本当に大事でした。ここで負けているとずるずる行く可能性もあったと思うんですけど、しっかり勝てて、台湾に行けるというのは最高の立ち上がりだったと思います」
初対戦の投手でも日本は大丈夫!?
「初めてのピッチャーと対戦するときに、データは頭に入れるんですけど、どんどん振っていきます。見逃すだけじゃ自分の感覚が出てこないし、どうしても待っていると2ストライクと追い込まれてから知らないボールで来られるので。なので、振っていく中でタイミングを合わせたり、ボールの軌道を見ていきます。
今日出ている日本代表のメンバーは基本的には初球からがんがん振るバッターばかりなので、見ていくバッターは基本いないです。嶋君ぐらいじゃないですかね。そういう意味では国際大会で初めてのピッチャーと対戦しても苦労する感じはしないですね」
井口資仁/Iguchi Tadahito
【写真は共同】
国学院久我山高2年夏に甲子園出場。青山学院大では東都リーグ記録となる24本塁打を放ち、大学4年時はアトランタ五輪・野球日本代表に選出され、銀メダル獲得に貢献した。1996年、福岡ダイエー(現・ソフトバンク)に逆指名で入団すると、2001、03年には盗塁王を獲得。05年からホワイトソックスに移籍すると、「2番・セカンド」に定着し、移籍1年目からワールドシリーズ制覇を経験。09年から日本球界に復帰し、千葉ロッテでプレー。13年には史上5人目となる日米通算2000本安打を達成した。