「大谷君が一番成長したところが出ていた」
ロッテ・井口が日本vs.韓国を解説
「シーズン以上に良かった」と井口も絶賛した先発・大谷
「シーズン以上に良かった」と井口も絶賛した先発・大谷【写真は共同】

 初開催となる「世界野球プレミア12」で世界一を狙う野球日本代表「侍ジャパン」が8日、札幌ドームで行われた開幕戦の韓国戦で5対0と勝利した。試合は先発の大谷翔平が6回、10奪三振、無失点の好投を見せると、則本昴大、松井裕樹の継投で強打の韓国打線を零封。打線は2回無死1、2塁から平田良介のタイムリー、坂本勇人の犠牲フライで2点を先制。その後も、坂本の本塁打など小刻みに得点を重ねていった。


 今回、スポーツナビではアトランタ五輪日本代表で銀メダル、米大リーグでワールドシリーズ制覇と世界を舞台に活躍してきた千葉ロッテ・井口資仁に韓国戦を解説してもらった。

真っすぐを意識させてのフォーク

 世界一を狙う侍ジャパンにとっての開幕戦、それも所属する北海道日本ハムの本拠地・札幌ドームでの先発……いろいろとプレッシャーがある中で、最速161キロのストレートとフォーク中心の組み立てで被安打はわずか2、10奪三振と見事に重責を果たした大谷の投球について聞いた。


「今日の大谷君はシーズン以上に良かったです。シーズン後半はあまり良くなかったですけどね。立ち上がり、最初の何球かはボールが抜けていましたし、調子はどうなのかなというのはありましたけど、嶋(基宏)君がうまいことインコースを使って、それから真っすぐが良くなりました。先頭打者の4球目ぐらいで調子を取り戻した感じがありましたね。


 大谷君は基本的に真っすぐは速くて160キロも出てるんですけど、空振りを取るような真っすぐではないんですよね。シーズンでもあんまり真っすぐで空振りは取れていないですし、クリーンアップにはなかなか真っすぐは投げない。なんだかんだ言って変化球ピッチャーだと思います。


 ただ、ことしのシーズンはフォークのコントロールが本当に良かった。フォークでストライクを取れたり、ボールを振らせたりというのが、彼がことし一番成長したところだと思います。今日はそれがそのまま出ていましたね。相手も真っすぐを意識してくる中で、あれだけの変化球が投げられたので、今日は完璧でした。フォークも147キロ出てましたから(笑)」

先制打をもたらした平田の見極め

 打線についてはどうだったのだろうか? 日本キラーと言われる左腕キム・グァンヒョンから2回に先頭打者の中田翔の振り逃げをきっかけに無死1、2塁で先制のチャンスを作る。ここで送りバントを2度失敗した平田がヒッティングに変えて、フルカウントから高めのストレートを打つと、打球は三塁ベースに当たって方向が変わるラッキーなタイムリー二塁打へ。井口は先制打をもたらした平田の打席のある1球に注目した。


「最初の点数の取り方がラッキーでしたよね。振り逃げから始まって、サードのベースに当たって、早い回から点が取れたのが非常に大きかったと思います。


 平田君もバントを2つ失敗してからですけど、2ボール2ストライクからスライダーを見逃せたのが良かったです。キム投手は右打者のインコースに来るスライダーが一番いいんですよね。スライダーがいいピッチャーに対して、スライダーを狙うことはまずありません。割り切って低めのスライダーを捨てて、少々高めの真っすぐを目付けしておかないと、どうしてもスライダーを振ってしまいます。その前の中田(翔)君のときは振り逃げになりましたけど非常にいいスライダーでした。平田君があそこで見逃せたことでフルカウントになってストライクを投げざるを得ない状況になりました。


 キム投手も平田君が見逃して以降、なかなかスライダーが引っかからなくなってきて、だいぶ抜けてきました。バントは成功しなかったですけど、2ボール2ストライクからスライダーを見逃せた時点で勝ったかなという気はしますね」

スポーツナビ

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