ハリルホジッチ「金崎は戦う意識がある」 シンガポール、カンボジア戦メンバー発表
「やる気」と「戦う意識」で負けてはいけない
ハリルホジッチ監督は「誰のことも忘れたわけではない」と選手間のさらなる競争を促した 【スポーツナビ】
問題があるというわけではないし、私は少し強く要求し過ぎなのかもしれないが、要求し続けたい。このチームはもっと向上できると思っている。例えば、中盤の柴崎岳については、もっともっと向上できると言いたい。トレーニングをパーフェクトに続けていってほしいと思う。彼とはディスカッションもしたし、彼の人間性は大好きだ。彼は向上していくと思っている。そして他の選手にも言いたいのは、誰のことも忘れていないということ。みんなのことが頭に入っているけれど、もっともっとパフォーマンスを高めてこの場所に戻ってきてほしいと思う。
――多くの選手を呼んで手元で見てみたいとのことだが、2次予選をそういう期間にあてて、最終予選でメンバーを固めるという考えなのか?
ハリルホジッチ このような合宿では20人のメンバーと3人のGK、時に4人のGKを呼ぶこともあるが、まずパフォーマンスが良い状態でなければいけない。1年目はできるだけ多くの選手を呼びたい。将来、A代表に入ってくる選手(を見越して)。試合をテレビで見るだけでは十分ではなく、トレーニングで見なければいけない。その方が情報がたくさん入ってくる。フットボールの選手としてだけでなく、人間性も見ることができる。それを知りたいのが大きな理由だ。
今のところ、私の頭の中には35人ほどの選手がいる。彼らはA代表に入ってくる可能性がある。そして、この人数が時間の経過とともに少なくなっていく。ただ、なかなか判断するのが難しい場合がある。例えばCBのクオリティー。丹羽はいつもクオリティーが高い。昌子は(ナビスコカップの)決勝では完全にパトリックを抑えた。水本もいつもディスカッションに入ってくる。塩谷も常にここに入ってきてもいい選手だと思っている。状況に応じて呼ばないといけない。これは国内でやっている選手へのメッセージでもある。プレーが良ければA代表に入るチャンスがあるということだ。前回よりも(メンバーを)変えたいというのも私の頭にはある。これは間接的に全員にプレッシャーを与えている。海外組にも同じ。そして、良いプレーができていなければ、A代表に呼ぶことはない。
次のシーズンに向けては、相手がどんどん強くなってくる。そのときには30人くらいには絞られていると思う。誰がプレーするかは、そのときの状況によって違う。その時にパフォーマンスが良ければ呼ぶ。経験を積ませたい場合もあれば、いろいろな選手と組み合わせたい場合もある。もっと時間をかけて選択しなければいけない。トレーニングは、試合を観客席で見ているときとはまったく違う。ディスカッションも直接できるし、ディテールをメモして、最後に選択するということだ。
シンガポール戦はリベンジだ
ハリルホジッチ どのように得点を取るのかは選手に聞いてくれ。私ではなく、選手が得点を取らなければいけないので。シンガポールの試合のビデオを数試合見たが、彼らがどのようにプレーするのかは分かっている。
まず、われわれのシンガポール戦は、どのような状況になったのかまだ理解できていない。あんなにもチャンスを作って……ただ、こんな日もあるんだなと。今回はチャンスを得点につなげたい。ただ誰も予想はできないし、プレッシャーはしっかりと受け止めなければいけない。われわれ自身のリベンジだ。モチベーションをハイレベルのところでキープしなければいけない。ただ、W杯の予選というものは前もって勝てるとは言えない。前の試合では勝っているが、プレーの内容が良くなかった。しかし、チームのスピリットや野心は常に見せていると思う。相手はわれわれにビッグチャンスをほとんど作れていない。でもDF面では注意しなければいけない。
シンガポールとカタールの試合を昨日見たが、最初の1時間は日本と同じ。1点目を決めた時は、左SBがセンタリングして、右SBが決めた。1点目がすべてを決めた。現代フットボールはご存知のようにFWだけが点を決めるのではない。何人かの選手には怒ったのだが、16メートルの中に入って行かない。16メートルの中で86パーセントぐらいのゴールは決まる。だから入って行かないといけない。選手とそういったことをディスカッションしていかなければいけないと思っている。とにかくシンガポール戦では、本当に集中してやってくれと言いたい。われわれ自身のリベンジだと伝えたい。
――シンガポールもカンボジアも芝が良いと思えないが、どんなコンディションでも相手を倒す自信があるか?
ハリルホジッチ まずカンボジア戦は人工芝でやらなければいけない。人工芝での試合を見たが、あまり良くなかった。それは、彼らにとってもわれわれにとっても良くない。ただ、グラウンドのせいで試合に負けたとかいう言い訳はしたくない。われわれはまだ(シンガポールから)点が取れていない。そして言い訳は探したくない。勝たなければいけない。環境のせいにせずに勝たなければいけない。カタール戦で彼らは、カウンターでかなりのチャンスを作っていた。そして得点を取れる可能性も彼らは見せた。10人も16メートルの中に入って来る。右SBが行くならば、誰かがそこを埋めなければいけない。攻撃時もしっかりとオーガナイズしなければいけないし、全員が攻撃には入れない。選手はしっかり試合で応えてくれると思う。
カンボジア戦では人工芝だが、彼らは人工芝でのプレーが初めてではないと思うし、チームの関係者にも人工芝用のシューズを用意してほしいと言ってある。テクニックの面で少し影響があるが、それに適応しなければいけないということだ。
――シンガポール戦はいまだに理解できていないと言っているが、これまでの試合を通して、アジアでの格下との戦い方が監督の中で整理されてきているように感じる。そのあたりで次の試合への手ごたえはあるのか?(田村修一/フリーランス)
ハリルホジッチ 私の頭の中にはうまくいかなかったときに2つ、3つのソリューションを用意している。ブロックを低いところで敷いてくると思う。そしてサイドからの攻撃になってくると思う。グラウンダーのボールを速くセンタリングする。そして16メートルのところで存在感を発揮する。ミドルシュートを打つ。そして中央の突破を図る。そのときはワンタッチを使わなければいけない。そしてリターンパスをして、3人目のフリックとか。そして、逆に(パスを)通すとか、オブリックランニングだ。そして同時に複数の人間が動き出し、完璧にスピードをつけて入ってファウルを誘う。そしてFKやCKで得点を取る。遠くからシュートを打つ。いろいろなことがある。こうやってしゃべることは簡単だ。
われわれは「こういったことをしよう」という映像を用意している。われわれの1試合目も分析した。この1試合目を繰り返してほしい。仕留めるところ、そこだ。(前回のシンガポール戦では)19〜20回ほどのビッグチャンスがあった。私が(ピッチに)入れば……と冗談を言ったが、私はまだ選手としてパフォーマンスが良くない(笑)。クラシックなことをするしかないと思っている。ただ、まだフリーキックやCKからの得点は存在していない。FKで得点できる選手はいる。PKでようやく1点を取れた。それに関して私はまだ説明できない。昨日、審判たちとディスカッションする機会があったのでそういった説明もした。例えば日本はコンタクトが少ないので楽でしょうと。ただチャンピオンズリーグを見てください。全部のポジションでコンタクトをしている。ファウルを誘う人もいるし、だます人もたくさんいる。でも日本の選手ではそういったことが少ない。
この2試合のタクティクスも用意している。このグループがどういうことをできるかという準備だ。藤春が興味深い選手になるかもしれない。サイドから突破したり、センタリングをしたり。カタールは左SBがセンタリングをして、右SBが得点を決めた。われわれもそれをやろうじゃないかと。(シンガポールの)GKもわれわれに対してミラクルなことをしてくれた。カタール戦でも同じようにミラクルだった。そして後半彼らはGKを替えて4失点した。そういうことも起きるわけだ。
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