ハリルホジッチ　次はディフェンシブハーフ。長谷部はわれわれのキャプテンだ。クラブでは右ＳＢでプレーしているが、私は中盤でやってほしいと思っている。右手に少し問題を抱えているが、トレーニングや試合に影響はない。山口は常に存在感を見せてくれる選手だ。彼を追っているが、個人的にはＪ２をあまり見られていない。すべての試合は見ているし、かなり向上する余地がある選手だと思っている。次は遠藤航。前回はけが、今回は先日まで病気をしていたが、彼も中盤で使ってみたい選手だ。ただ、右ＳＢとしてもプレーできると思っている。彼もかなり向上できると思っている。若いし、将来はＡ代表を引っ張っていく存在になってほしい。

　少し新しい選手なのが柏木だ。組み立てから参加してほしいと思っている。そして左利きだ。フィジカル的にモンスターというわけではないが、デュエルもしてくれる。特に後ろから組み立てる能力がある。彼の運動量とゲームビジョン、パス、そして左利きという特徴。他の選手は右利きなので、攻撃面に関してしっかりバランスを取ってくれる選手だ。中盤に左利きの選手がいてくれるのは面白いことだ。フリーキックにも影響するし、彼にはとても期待している。われわれのビルドアップの場面でテクニックをもたらしてほしい。中盤の低いところから、ＦＷにつなげていってほしい。浦和ではかなり引いてボールをもらいに来るのだが、われわれはできるだけ高い位置でボールを受けなさいと話をしている。オフェンシブな選手、ＦＷに近づきなさいと言っている。そして彼はゲームビジョンも面白い。ＤＦを背負っていても、フリックで背後にボールを送ることができる。そういった選手は少ないし、ボールを受ける前にたくさんのアイデアを持っている。自分の前の選手たちと連携を持てる選手だ。

ハリルホジッチ　それから香川。クラブでかなり良いパフォーマンスを見せ続けている。得点も取っているが、特にラストパスで活躍している。彼はずっと試合に出続けている。時には休憩してほしいとも思っている。シーズンは長いし、フィジカル的にもモンスターではない。時々休憩することも知らなければならない。Ａ代表でも時に休憩させている。

　清武も同じポジションだ。彼らがわれわれのプレーを前へ前へと進めてくれる。そしてボールを奪う場面でも役割を発揮しないといけない。彼らがオフェンス面でオーガナイズの中心になるし、香川と清武は互いに競争してほしい。清武はけがから復帰したところだが、今朝の情報ではまだ少しけがをしている。トレーニングもしなかった。オペをした場所とは異なるが、近い箇所を打撲している。清武が２試合連続で出るかは確定していない。おそらく明日はプレーすると聞いているが、今日の午後と夜にかけて彼と話して、日本のドクターに見てもらって様子を見たい。その後に、われわれがどうするか決断することになっている。これが中盤の６人だ。４人がディフェンシブな選手で、２人がオフェンシブな選手だ。

ハリルホジッチ　ＦＷは今回７人選んだ。まず本田はそこまでプレーしていないが、毎日のようにコンタクトはとっている。トレーニングをもっとしなければならないと言いたい。今、競争はかなり高まっているし、それをやるだけのクオリティーを彼は持っている。トレーニングを続けてほしい、自分のレベルをキープしなければならない。

　それから若い南野だ。若いし有望で、われわれとともにいろいろなことを学べると思う。特に右サイドからのＦＷとして活躍することを期待している。彼をゴールゲッターだと思っている。シンプルに、正確にプレーするし、１６メートル（ペナルティーエリア）の中に入っていく動きや、爆発的なスピードもある。われわれは得点を取ることが問題なので、次の準備として、彼とともにプレーしていきたい。彼は若い選手だが、若い世代とともにリスクを負わなければならない。彼を信頼しているし、２〜３年後には経験も踏まえてすごい選手になっていると思っている。これは将来のための準備だ。

　原口はいろいろな役割でプレーできる。サイドや中央とゲームによってポジションを変えることができる選手だ。攻撃でも守備でも運動量が多い。もっともっと１６メートルの中入って得点を取ってほしい。最後の２０〜３０メートルのところだ。ボールをもっと中に運んでほしい。ボールを持っていない状況でも、スプリントして１６メートルの中に入ってほしいし、ヘディングでもゴールを狙ってほしい。いつも１６メートルの中で、待つのではない。そういうことをアドバイスしたい。それが走りながらできれば、彼は今シーズンさらに高いレベルにまで到達できる。

　宇佐美。既に宇佐美のことはたくさん話してきた。最近疲れているような気がする。ゴールも減ってきている。これはフィジカル的に準備されていないのかという疑問を持っている。今シーズンはかなりのことをやってくれたし、生活も変えた。私生活でもいろいろと注意しているだろうし、彼はスペシャルプログラムも持っている。リーグ戦もすべて出ているし、ＡＣＬ（ＡＦＣチャンピオンズリーグ）でも準決勝まで進んだので、かなりの試合に出ている。それもあってフレッシュな状態ではないのかもしれない。それでも能力がかなり高いので呼んだ。日本のフットボールでこんなに能力が高い選手はいない。彼と我慢しつつ、成長していきたい。この選手を私はかなり信じている。本当に能力がある選手だから。ただ、能力だけでは十分ではない。

　岡崎。彼も全試合で１００パーセントを出し切る選手なので、今はパフォーマンスが落ちている。ただ彼はすべての局面に顔を出してくれる。でも最近はあまり試合に出ていない。それでも彼のやる気とプロフェッショナリズムがわれわれには必要だし、得点が必要だ。

　武藤。おそらくまれな選手だが、日本人で３点取った（ブンデスリーガのアウグスブルク戦）。これは日本人選手ではあまり起きないことだと思うので、かなりうれしい。彼も向上する。身長はそこまでないが、勇気があり、デュエルが強い。ドイツではデュエルで倒れるシーンもあるが、彼の爆発的なスピードは、かなり高いレベルにある。ドイツでかなり向上すると思うし、ドイツサッカーにも適応している。彼のためのスペースがある。でもまだ、そのスペースを十分に使えていない。彼はスペースに走っているが、ボールホルダーとシンクロしていない。オフサイドになってしまう。そういう選手にはオブリックランニング（斜めに走りながら「く」の字を描くように急激に方向転換する動きだし）を覚えさせたい。１メートル後ろからスタートして、速くない選手に対してはスピードで勝たなければいけない。彼に言いたいのは３点取って自信があるだろうから、これまではゴール前で慌てたシーンや冷静を欠いたシーンがあったが、今は冷静さを取り戻せるのではないかということ。ＧＫの前では集中して、冷静でないといけない。若い選手なので、このまま得点を重ねていけば、自信を取り戻せると思っている。

　新しい選手が金崎だ。Ａ代表には以前にも呼ばれていたと思うが、彼も追跡してきた選手だ。皆さんには既に言っているが真ん中に少しパワーが足りない。センタリングを有効に利用できる選手がいないか探していた。国内に若い選手を含めて何人かＦＷはいるが、今回は金崎をダイレクトに見てみたい。彼はここ数カ月かなり良いプレーをしている。真ん中だけでなく、たくさんの場面に動いてくれる。身体の大きさはそこまでではないが、デュエルの中で体を使えるし、戦う意識がある。ヘディングもうまい。ナビスコカップ決勝でも本当に決定的な仕事をした。彼は昨日見つけた選手ではない。１年目はできるだけ多くの選手に可能性をもたらして、より良く知りたい期間だ。フットボール面だけでなく、人間性も知りたい。ハイレベルな戦いでは、完璧な人間が要求される。金崎にとっては良い機会になると思うが、他の選手についてもたくさん追跡している。