ヤクルト川端を進化させたつなぐ意識 残り3試合で8本、200安打達成なるか

週刊ベースボールONLINE

第1打席でヒットを打てるかがカギに

かつては何度も故障に泣かされたがここまでは全試合出場を続けている 【写真=BBM】

 ここまで積み上げた安打の数は192本。今シーズンは埼玉西武の秋山翔吾がプロ野球史上6人目の200安打を達成して話題となったが、川端にも200安打への期待が膨らむ。 

 もちろん残り3試合で8本という数字は、川端をもってしてもハードルが高い。とはいえ今シーズンは複数安打を59回も記録しており、そのうち21回が3安打以上の、いわゆる“猛打賞”。4安打以上の試合も4度あり、打順が2番に固定された7月20日から6試合で計12本のヒットを放ったこともある。

 固め打ちの多さについて、川端は「1打席目でヒットが出るとそうなりやすいというか、気持ちがすごく楽になります。1打席目ってホントに大事だなと思います」と話しており、これからの試合では最初の打席でヒットを打てるかどうかが、大記録達成へのひとつのカギとなりそうだ。 

 もっとも当の川端には、200安打に対してそこまでのこだわりはない。「そこはあまり気にせず、一生懸命やってどうなるか、というだけです」と14年ぶりのリーグ優勝が目前に迫った今、まずは一生懸命にプレーしてチームの勝利に貢献することが第一。自分がヒットを打てばチームも勝利に近づくはずだが、そこは安打でなくても、四球でも失策でも、どんな形でも塁に出られればいい。 

特別な200安打なるか

 打順は2番ながらベンチからサインが出ることはまずなく、基本的には常にフリーに打てる立場だが、時には自らの考えで走者を進めることもある。9月22日の広島戦(神宮)では、初回無死一塁の場面でセーフティー気味にバントを転がして相手のエラーを誘い、試合後に「先取点が欲しい場面で(相手が)左ピッチャーだし、後ろ(のバッター)が強力なので、走者を得点圏に進めればなんとかしてくれると思いました。最近、無死一塁でいい結果が出ていなかったので……」と、意図を明かした。 

 ヤクルトでは過去に青木宣親(05、10年/現MLBジャイアンツ)とアレックス・ラミレス(07年/現オリックス巡回アドバイザー)がシーズン200安打を達成しているが、フォア・ザ・チームに徹して優勝に貢献した結果の200安打となれば、それは先達とは違った特別な意味を持つはずだ。

(文=菊田康彦)

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