伯父は幻の三冠馬と言われたフジキセキ 素質馬ロライマが★6つを獲得
競馬専門紙「優馬」の2歳馬チェック
伯父はフジキセキ 皐月賞を目指して ロライマ
着差はわずかながら“鞭なし”でデビュー戦を勝利したロライマ 【撮影:日刊ゲンダイ】
ロライマ 牡 馬体重:450kg
★★★★★★ 6点〔OPクラス〕
騎手:C.ルメール 厩舎:(栗) 松田国
生産: 社台ファーム
父:キングカメハメハ
母:ミルフィオリ(サンデーサイレンス)
少しトモを落とし気味のスタートだったが、ゲートの出自体は悪くなかった。1000m通過が66秒フラットという超スローの展開でも折り合いはピタリ。4角辺りから先に動いた2着馬を追いかけるように進出。ラスト3Fが11秒4〜11秒5〜11秒5と刻まれた中でキッチリと差し切った。着差は「アタマ」差でも、鞭を入れずに勝ち切った点や走りのフォームが良く、全体的なレベルは高い。
馬体診断
450キロという馬体重もそうだが、ムダ肉がなく好仕上がり。骨太でありながら手先の軽い捌きでパドックを周回しており、父キングカメハメハの瞬発力を良く受け継いでいるといった印象。それほど胴長でもなく、距離の下限は1600m位だろうが、2000mより長い距離となるとやや不安か。中距離で瞬発力勝負なら持ち味を生かせそう。
血統診断
母ミルフィオリはフジキセキの全妹。ダートの1800m戦で勝ち上がり、芝の1600〜2000mで3勝。秋華賞にも出走した(11着)。本馬の全兄サトノバリアントはダートで2勝しているが、その全兄よりも造りが軽く柔軟性もあるので、現状では芝の方が良さそう。今年の2冠馬ドゥラメンテを輩出したように、父キンカメ×母父サンデーサイレンスという定番の配合。
馬券の狙い目→ベストは2000m、瞬発力勝負が理想。皐月賞トライアルが一応の狙い目。
父は米GI7勝の名馬 アメリカンヘブン
アメリカンヘヴンが父譲りのパワフルな脚どりで新馬勝ち 【撮影:日刊ゲンダイ】
アメリカンヘブン 牡 馬体重:486kg
★★★★★ 5点〔1600万クラス〕
騎手:岩田康 厩舎:(美) 戸田
生産:アメリカ(Bruce Smart)
父:Gio Ponti
母:Rap and Dance(Pleasant Tap)
外目の枠から少し押して好位のポジションを取りに行く競馬。2F目の11秒8から3F目が14秒8と、急激なペースダウンにも難なく対応。直線に向いて前にいた先行馬を全く相手にせず交わし去って快勝。最後に2着馬が詰め寄ってきていたが、余力は十分だった。とにかくパワフルな脚どりで中山コースも合っていた。
馬体診断
トモや胸前の筋肉がよく発達していて好馬体。まだ少し幼い仕草も見せていたが、レースを経験したことで変わってくるはず。外国産馬だが、クッションの利いた繋ぎで日本の芝への対応力は十分。パワーと瞬発力のバランスが取れた好素材で、蹄の形から道悪でも動けそう。
血統診断
父のGio Ponti(ジオポンティ)は現2歳世代が初年度産駒で、本馬が本邦初の産駒である。現役時代にはアーリントンミリオンなど、アメリカの芝GIを7勝した名馬。オールウェザーで行われたBCクラシックで2着の実績もある。母系からは目立った活躍馬はいないものの、日本にもよく輸入されている。母の父Pleasant Tap(プレザントタップ)はタップダンスシチー(ジャパンカップ)の父として有名。間違いなく芝の中距離タイプ。
馬券の狙い目→直線に急坂のある中山や阪神向き。目標とするなら皐月賞戦線だろう。