粘りの秋田と緻密さの浜松・東三河 DREAMGAMESに臨むbjリーグ勢

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フェニックスの持ち味はチームバスケット

オフェンスでもディフェンスでもチーム戦術が非常に細かく、さまざまな引き出しで相手チームを撹乱させるチームバスケットが得意な浜松・東三河 【写真提供:bjリーグ】

 第2試合に登場するのが昨シーズンのファイナル、残り3.4秒という劇的な時間帯にゲームを決め、4シーズンぶり3度目のチャンピオンシップを獲得した、フェニックス。今シーズンはリーグ最多の4度目の栄冠をつかむため、昨シーズンのチームのベースはそのまま残し、ピンポイントでの補強を行った。

 東野智弥HCが率いるチームの特徴は、細かく緻密(ちみつ)で頭を使うレベルの高いバスケットボールだ。

 オフェンスでもディフェンスでもチーム戦術が非常に細かく、さまざまな引き出しで相手チームを撹乱(かくらん)させて、自分達のペースに持ち込んでいく。局面局面で戦術が変化し、コートに出た全員が自分の役割をしっかり果たす事に追求し、コート上のどこからでも得点が取れるチームバスケットを展開している。

 さらに、チーム全体が精神的にもタフであるというのも特徴的だ。上記した昨シーズンの残り3.4秒でのドラマ、ゲーム中どんなにリードを広げられてもチーム全体が我慢を重ね、やるべき事を遂行した結果が、あのドラマを演出したと言っていいだろう。

「NBLチャンピオンで歴史ある素晴らしいアイシンと対戦できることを光栄に思います。bjリーグで培った経験を生かし、フェニックスらしく戦います。そして、今シーズンのチームの特徴は、チャンピオンチームの継承とさらにレベルアップしたチーム力です」

 東野HCはこのビッグイベントに向けて、声高らかに語ってくれた。

ベテランを軸に準備に抜かりなし

クレバーさはリーグでも屈指のベテラン大口。経験と頭の良さで次々とビッグショットを決める 【写真提供:bjリーグ】

 フェニックスで特筆すべきは、3人のベテランの存在だ。

 1人目は日本代表であり、チームのインサイドの中心メンバーである#8太田敦也。泥臭いプレーやリバウンドに加え、外国人にも負けないフィジカルでゴール下の番人となっており、チームの大黒柱の一人でもある。その存在はチームにとって非常に大きく、彼を中心とした戦術も多く存在している。

 そして2人目は「神様・仏様・大口様」とブースターからは崇められている、ビッグシューターの#3大口真洋。ルーキーシーズンからフェニックス一筋でチーム在籍17年目。39歳となり「体は昔よりは動かなくなった」と話すが、経験と頭の良さで、次々とビッグショットを決め続けており、ビッグシューターぶりはまだまだ健在。身長は172センチと小柄ながら、コートに立った時のクレバーさはリーグでも屈指のプレーヤーだ。

 そんな大口に「DREAM GAMES」への意気込みを聞くと、「日本のバスケ界が注目する試合に出場できることをうれしく思います。スターぞろいのアイシンを相手に私達がどこまでやれるのか、全心全力で挑みたい」と語ってくれた。

 もう1人のベテラン、#11岡田慎吾は、チームにとって非常に大事な存在だ。コート上での状況判断が非常に優れており、そのプレーは観ているものを唸らせる「いぶし銀」。

 岡田は昨シーズンチャンピオンシップを獲得しつつも、悔しい思いをしている。ファイナルズ直前でけがをし、聖地・有明コロシアムで思い切ったプレーができなかったのだ。今シーズンこそ、心技体が一体となった形であの舞台に再び立ち、最後に歓喜の瞬間を味わいたいという思いは人一倍強い。

 13日の試合に向けて、「注目度がとても高いと感じているので、bjリーグ代表として誇りを持って戦いたいです」と決意を持って、コメントを寄せてくれた。

 他にもキャプテンの#1大石慎之介にリンク栃木ブレックスから移籍した#73田渡修人ら若手ガードプレイヤーに、京都ハンナリーズから移籍した#2レジー・ウォーレンを擁し連覇への準備に抜かりはない。

「バスケ新時代突入!歴史的瞬間を見逃すな!」

 そう銘打たれた、今回の「DREAM GAMES」。

 実力のNBL、人気のbjリーグと巷で言われることも多いが、ゲームは始まってみなければ分からない。それがバスケットボールの醍醐味でもあり、楽しみな部分なのだ。両チーム、シーズン開幕前ではあるものの、プライドを持って、勝ちにこだわって、このゲームを戦うことだろう。

 当日は両チーム共に多くのブースターが大田区総合体育館に駆けつけ、圧倒的なパワーで会場を自分達のホームコートにすることは間違いなさそうだ。

 プライドをかけた、真剣勝負。勝利をつかみ取って、巷で言われている言葉を覆すことができるか。

(協力:bjリーグ)

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