Yogitoesの創設者スーザン・ニコルスに聞く 真にヘルシーでグリーンなライフスタイル

猿渡由紀

プラスチックも中国製も使用しない、完全にグリーンな生活環境

家の玄関口では、温かくポジティブなメッセージが入ったクッションが、来る人を迎え入れてくれる 【提供:スーザン・ニコルス】

 家の改装工事のためにスーザンが雇った建築請負人は、グリーンを意味するLEEDに認定された建物を手掛けてきた人。だが、スーザンは、彼に、LEEDよりもずっと厳しい基準を要求した。「LEEDが『化学成分を使わない』といっても、よく調べてみると、そうでないことがあったりするのよ」。そういうものをいっさい拒否したせいで、改装工事は「5倍くらいお金がかかったかもしれない」と振り返る。
 中国製の使用も、いっさい禁じた。たとえ釘ひとつも許さなかったので、相当に困難だったそうだ。プラスチックも、まったく使っていない。代わりに、大豆やチーズなど、意外な原料からできた物質が工事の過程で使われている。

 同じ配慮は、家具や食器、あるいは服をかけるハンガーまでにも行き届いている。家具はオーガニック、あるいはヴィンテージ。新品の場合は、すべて国内産、とくに地元で作られた、環境に意識の高い会社から購入している。フォークやスプーンもヴィンテージで、中国製ではない。

ヨガ、瞑想、ハイキング。食生活はベジタリアン

スーザンの自宅内のヨガ専用部屋 【提供:スーザン・ニコルス】

 プラスチック公害の危険を訴える運動を何年も前から支持してきたスーザンは、プラスチックボトルの水も、いっさい飲まない。「空港に行く時は、空のボトルを持っていって、ターミナル内の噴水式冷水機の水を入れる。プラスチックボトルに入って高い値段で売られている水より、そのほうがずっと安全なのよ」

 ビーガン(完全菜食主義者)ではないが、ベジタリアン。運動は、ヨガのほかに、TRXトレーニングやハイキングなどもする。自宅内のヨガ専用部屋で練習することもあれば、ヨガスタジオでクラスを取ることもある。
 瞑想も欠かさない。霊気も学んでおり、人に対してはもちろん、愛犬ゴアちゃんにも行ってあげるという。ゴアちゃんは、14歳。
「元気を保っている秘密は、霊気にもあるかもしれないわね」

分かち合う、お返しをする。ライフスタイルの変化をうたう新会社

 来年立ち上げる彼女の新会社New Hippieは、無責任に消費を続ける現代のライフスタイルから、シンプルを好み、人々と分かち合う、またお返しをする生き方への変化を提唱するもの。

「私たちは、変えていくことができる。それを、みんなが共感できる形で伝えていきたい」

 ヨガから多くのものを与えてもらったと自認するスーザンは、ヨガを生んだ国インドで貧困に悩む女性と子供たちに助けの手を差し伸べる非営利団体「Yoga Gives Back」のアドバイザーも務めている。Yogitoesを去った後の人生にも、これまで以上に、多忙で充実した日々が待ち構えていそうだ。

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著者プロフィール

月刊女性誌編集者を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスターのインタビューや映画の撮影現場レポートなどを、日本の雑誌、新聞、オンライン媒体に寄稿する。フィットネスへの関心も高く、渡米直後から毎日ジム通いを開始。ここ10年ほどはアシュタンガヨガに専念しているが、ワークアウトのトレンドはもとより、健康、運動一般に関する新しい情報には、常にアンテナを張っている

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