星奈津美を強くした“バタフライ攻め” 待望の金メダルでチーム日本に弾み
ひそかに誓った恩師への恩返し
師事する平井コーチ(右)は、星の前ではあえてメダルを意識した発言を控えた 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
平井コーチの見立てによると、星は「羊の皮をかぶった狼」だ。普段はおおらかな性格だが、芯が強く、内面に秘めたガッツがある。言葉に出さなくても、練習で自信をつけていくはず。そんな平井コーチの期待に、星は最高の結果で応えてみせた。
「ここまで面倒を見てもらって、手術明けからどんどん強くしてもらいました。金メダルを取ってひそかに恩返しをしたいなという気持ちを持っていたので、それが実現できてよかったです」(星)
チーム日本、メダルラッシュなるか
「(星が)僕の前で優勝したので、やってやるぞという気持ちになりました」
さらに後を泳いだ入江陵介(イトマン東進)も良い流れを感じている。
「奈津美が優勝してくれてすごくうれしいですし、いよいよ来たなという感じです。この波をみんなで途絶えさせないようにしたいと思います」
金色に輝くメダルを手にした一番星が、不振の続くチーム日本メダルラッシュの口火となるだろうか。
(取材・文:豊田真大/スポーツナビ)