“キック界の清宮”那須川天心が見せつけた強さ BLADE制覇でK-1王者との頂上対決に期待
3連続KOの完全優勝でBLADE55kgの頂点へ
3連続KOでBLADE55kg級トーナメントを制し実力を見せつけた“驚異の16歳”那須川天心 【長谷川亮】
15歳のプロデビューから1年でRISE王者に
サウスポーから放つ左の蹴り・ヒザ・パンチで“那須川包囲網”を突破 【長谷川亮】
スピードと攻撃力に長ける那須川は、3戦目のベテラン九島亮戦こそ判定に結果を委ねたが、これ以外は「BLADE.2」までいずれも2Rまでに相手を仕留めるKOぶり(トーナメント参戦時の戦績は6戦6勝5KO)。サウスポーから放つ左の蹴り・ヒザ・パンチといずれも殺傷力を秘め、ジュニアからの転向組に時おり見られる非力さは全く感じられない。
今年3月、シュートボクシング(SB)元王者でテクニシャンの藤本昌大を初回KOで下した那須川は満を持して、デビューから1年と待たずにRISEバンタム級タイトルマッチへ進出。20歳の若き王者で上り調子の村越優汰との試合は那須川の怪物ぶりを際立たせ、村越が9連勝中に見せた強さをまるで発揮させず、2RKOで戴冠を果たした。
“那須川包囲網”を軽々と突破
【長谷川亮】
1回戦は小学3年生からグローブ空手を始め、“西の那須川”とも言われるDEEP☆KICK−55kg級王者、18歳の鈴木真彦。鈴木のローキックをもらい、さすがに初戦は硬いかに思われた那須川だが、逆にこれで距離をつかんだように左ハイ、三日月蹴り、スーパーマンパンチと当て、左で2度打ち抜き1R1分46秒ノックアウト。戦前、鈴木に対し「強いけど自分とやるにはまだ早い」と語った那須川は、その言葉通り「モノが違う」と思わせる内容で準決勝へ駒を進める。
次戦では178センチの長身を利したムエタイスタイルの小笠原裕典に手を焼いたが、リーチに勝る小笠原を逆に前へ来させると、そこへ左フックを合わせ豪快に打ち倒して3Rノックアウト。
決勝もSB日本スーパーバンタム級王者・内藤大樹と接戦も予想されたが、開始ほどなく左ハイでダウンを奪い、そこから左フック、左ストレートと3度のダウンを与え、3KOでの完全優勝を決めた。
進化・成長のスピードも“怪物級”
試合後にはK−1王者の武尊に宣戦布告。頂上決戦に期待が高まる 【長谷川亮】
トーナメントでは相手を呼び込み合わせるカウンターの精度がこれまで以上に増し、攻撃の見切りや判断のよさといった面も光った(※蹴りを放ち、相手の反応を見て瞬時に軌道をハイからミドルに変える、蹴りの操作も行っているよう映った)。
300万の優勝賞金を手にした那須川は、リング上で55kg級もう一人の雄、K−1−55kg王者の武尊に「“掛かってこいや”って感じで、このリングでやれればいいかなと思ってます。全KOで勝てたので、僕の方が上じゃないかって思います」と語り宣戦布告。
K−1甲子園を機に、若き才能が次々出てくるようになった立ち技格闘技界だが、その極め付けとも思える那須川。日本人離れした爆発力とパワーを持ち、こちらも軽量級のイメージを覆す倒しぶりを見せる武尊との一戦は実現なるのか。
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