東京タワー階段競走にチャレンジ 約600段、何分で駆け上がった?

芸部歩人

前回のわずか6分の1、勝算大いにあり!

手のひらにつけたバンドセンサーをじっと見つめながら、スタートのときを待つ 【スポーツナビDo】

 ということで、お邪魔したのは6月21日に行われた「第2回東京タワー階段競走」。当日は雨の予報で小雨も見られたが本降りには至らず、暑さもない良好なコンディション。8時半スタートと朝早いのが宵っ張りにはこたえるものの、最寄り駅を出て赤いタワーが姿を現すとテンションが上がります。今回も「馬鹿と煙は高いところが好き」の法則に従い、のこのこ出掛けてきてしまいました。しかし、展望台まで駆け上がるこの競走はたかだか約600段。前回挑んだ石段のわずか6分の1ほどです。勝算大いにありと見て、当日挑みました。

 そうは言っても競走ですから、少しでもよいタイムを出し順位も上げたいもの。会場への移動時から極力階段を使わずエスカレーターを使用するなど姑息な作戦に打って出て、体力と脚の筋力を温存します。スタートは参加者中最後となる172番で自分の番までたっぷり時間があるため、みなさんの様子を見つつ、心の準備を整え作戦も練ります。
 実はさかのぼること2年前、2020年のオリンピック東京開催を願い、「お百度参り」にあやかり2020人が東京タワー内にあるタワー大神宮に参拝する「2020度参り」というイベントに参加しており、その時そんなにキツくなかったことも今回の自信につながっていたのでした。

中年疲れやすく、階段登り難し……

いざ大会スタート! 【スポーツナビDo】

 20秒から30秒ほどの間隔をおいて駆け出していく参加者の中には裸足の人や、小さな女の子も見られます。早い順番のスタートで、すでに登り終えてきた人(青年男性)にも取材をすると、「200段ぐらいからキツくて、400段ぐらいから歩いてしまいました。足が出なくなったら肩を振るようにすると足が出てくるのでいいと思います」とアドバイスもゲット。情報収集も欠かしません。抜かりない男・芸部歩人。

ちょっと見づらいかもしれませんが、小学生くらいの女の子も参加していた 【スポーツナビDo】

【スポーツナビDo】

 そうこうするうち遂に自分の番がやってきました。名前と番号の入ったバンドをセンサーにかざし、1秒でも縮めてやらんと2段3段飛ばしで軽快にスタート。曲がり角では手すりを掴んで勢いをつけ、スピードアップを図ります。きわめて快調に飛ばし、これはアッという間に走り切りそうだと思ったのも束の間、前回熊本では50段ぐらいでキツさを覚えた貧弱な我が脚ですから、わずか100段=3ケタに突入したぐらいでもうシンドくなってきます。あれ、「200段からキツくなってくる」ってさっきの男性は話していたのに……。

自称・階段ライター界の第一人者、序盤は軽快に駆け上がったのだが…… 【スポーツナビDo】

333段目、このころになるともう足はガクガクである(撮影:芸部歩人) 【スポーツナビDo】

 結局200段と至らず歩き出してしまい、以後は調子に乗って最初から飛ばした自分を呪いながらの道のりに。思えば前回キツくなかったのは、物珍しさと高さにコーフンし、「スゲー」なんて言いながら写真や動画を撮りつつノンビリノンビリ上がったからだったのでした。浅はかな男・芸部歩人。

息も絶え絶えになんとかゴール! タイムは4分54秒だった 【スポーツナビDo】

 それでも係の人が立っているコーナーだけは気力を振り絞って走るなど、浅ましさを発揮して何とかゴール。タイムは4分54秒と、トップの方(2分28秒)の2倍掛かり、「健気に上っていく姿がひたむきでいいなぁ」なんて見ていた女の子(実は女性部門トップ!)にも1分以上差をつけられていました。中年疲れやすく、階段登り難し……。

階段とは精神修養の場=道場である

ゴール後はちゃっかりと東京タワー観光を楽しむ芸部だった 【スポーツナビDo】

 結局今回の階段も、何かと物事を軽く考えがちな我が身の反省を激しく強いられることに。階段は普段向き合っていない自分との対話を突きつけられる、精神修養の場=道場であるようです(私だけかもしれませんが……)。

 息も絶え絶えに登り切り、ゴール後水をもらいましたが、息が上がってあまり喉を通りません。階段を下りてスタート地点に戻ろうとしましたが、よく言われる、脚が産まれ立ての小鹿状態だったので全く悪びれることなくエスカレーターで下りました。

次回は9月27日(日)に開催、みなさんもぜひチャレンジしてみては? 【スポーツナビDo】

 聞けばみなさん、フルマラソンはもちろん、それ以上の距離を走るウルトラマラソンランナーの方もトレーニングとしてこの階段駆け上がりを行っているのだとか。ここしばらく走った記憶がない不真面目な私が、ノンストップで走り切れる代物ではありませんでした。

 東京タワーさん、ナメていてすみません。

 でもトレーニングには最適、よく見知った東京タワーを自分の足で登れてイベントとしても最高、自問自答もできるよい機会ともなります(最後のは人によりけり)。次回「第3回東京タワー階段競争」も9月27日(日)に決定していますので、ぜひ1度挑戦してみてはどうでしょうか。決してナメてかかることなく。

2/2ページ

著者プロフィール

げいぶ・あると。体験系取材を中心に活動し、「2代目スポーツ冒険家」を自称する40代目前ライター。名前は映画『クリフハンガー』の主人公ゲイブ・ウォーカーから

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント