“バレットプルーフ・コーヒー”とは? ハリウッドスターもはまるダイエット

猿渡由紀

牧草飼育のバターとココナッツオイルが鍵

左:ブレイン・オクターン・オイル/右:オリジナルのコーヒー豆 【猿渡由紀】

 現代の食品には毒素があふれており、病気や炎症を引き起こす原因になっていると考えるアスプレー氏は、できるだけ毒素の少ない、オーガニックのコーヒーを使うことが大事だとし、オリジナルのコーヒー豆も開発している。

 水も、普通の水道水ではなく、フィルターをかけたきれいなものを使う。コーヒーが沸いたら、これまたアスプレー氏のオリジナルである“ブレイン・オクターン・オイル”を小さじ1、2杯と、牧草飼育の無塩バターを小さじ1、2杯入れて、30秒ほどミキサーで混ぜれば、カフェラテのような“バレットプルーフ・コーヒー”が出来上がる。

 牧草飼育のバターにこだわるのは、トウモロコシや大豆のエサを食べて育った牛のミルクに含まれる脂肪は、牧草飼育の牛のものと同じではないから。「牧草飼育のバターはコレステロール値を上げることもなく、むしろ良好にしてくれる」というのがアスプレー氏の見解だ。“ブレイン・オクターン”の主な原材料はココナッツオイル。だが、カプリル酸がココナッツオイルの18倍も集約されているらしい。
 味がリッチすぎると感じたら、最初はバターを少なめにして作り、消化を促進する酵素のサプリメントも一緒に摂るといいとアスプレー氏はアドバイスする。
 バレットプルーフ・コーヒーは朝に飲むもので、これひとつで朝食にするというのが基本的なルールだ。

専門カフェもまもなくオープン、類似コーヒーもあちこちに登場

米国ではココナッツオイルやバターの入ったコーヒーが出回り始めている 【猿渡由紀】

 オリジナルのコーヒー豆やオイルは、すでに全米大都市の健康食品専門店で販売されているが、現在、初の専門カフェのオープン準備がL.A.で進められている。平日の営業時間は午前6時から午後9時になるそうで、ランチメニューも展開。成功すれば、全米に支店を広げる計画だ。

 しかし、このフラッグシップ店のオープンを待たずして、類似のコーヒーも見受けられるようになってきた。さすがに“バレットプルーフ”の名は使わないが、オーガニックショップのコーヒーカウンターなどでは、ココナッツオイルやバターの入ったコーヒーをメニューに加えるところが出てきている。
 これが一過性のトレンドなのか、効果のあるダイエット法として定着するのかは、しばらくたたないと分からない。栄養士や専門家の中には、「コーヒーにバターを入れるなんてばかばかしい」「カロリーが上がって逆効果」という意見もある。「高価な自社製品を買えというダイエット法は、そもそもあやしい」という声もあるが、自宅でまねをするのは、比較的安くて簡単。米国でバター入りコーヒーを目にする機会は、この後、きっと多くなりそうだ。

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著者プロフィール

月刊女性誌編集者を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスターのインタビューや映画の撮影現場レポートなどを、日本の雑誌、新聞、オンライン媒体に寄稿する。フィットネスへの関心も高く、渡米直後から毎日ジム通いを開始。ここ10年ほどはアシュタンガヨガに専念しているが、ワークアウトのトレンドはもとより、健康、運動一般に関する新しい情報には、常にアンテナを張っている

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