最強クラブ決定戦で見た野球普及の課題 元ロッテ・清水直行、NZでの挑戦(4)
大会はソフトボール用の球場で実施
真剣にプレーする子どもたちの姿に観客席からは拍手、声援が送られた 【(C)SAMURAI JAPAN】
たが……。野球をするとなると、手放しでは喜べない。まずはフィールドの距離。野球よりも塁間やマウンドからホームまでが短い。そもそも、ソフトボール専用だから、マウンドがない。主催者のベースボールニュージーランドは大会前に土を盛り、プレートを埋め込み、手作りマウンドを完成させていた。塁間も野球用に様変わりしていた。
試合中は、子どもたちの真剣プレーに観客席から拍手が起こった。ベンチの近くでは、子供に応援やアドバイスの声を飛ばすお父さんやお母さんもいる。日本から約1万キロ離れた場所に、自分の幼いころの原風景が描きだされているようで、うれしくなった。
成長を見越して買ってもらった体より少し大きめのユニホーム。それを誇らしく身にまとって、砂まみれになりながらボールを追いかける。ニュージーランドでも見つけることができた。野球の原点だ。こんな光景が大好きだ。
※ニュージーランドの野球事情と日本の役割を、元ロッテのエース・清水直行氏による手記から考えるシリーズ企画です。