NEXT4の目立ちたがり屋・高橋健太郎 未完の大器はオポジットとして大成なるか

田中夕子

全日本男子、期待の4選手の1人

次世代のリーダーとなるべき若手4選手に選ばれた高橋(左)。バレーを始めたのは高校から、オポジットに転向したのは今年の2月からという異色の経歴を持つ 【坂本清】

 まばゆいばかりのフラッシュに囲まれ、4人の選手が少し硬めの笑顔を見せる。

 今秋開催されるワールドカップ(男子は9月8〜23日)での活躍、そして次世代のリーダーとなるべき存在として、全日本男子バレーの南部正司監督は期待を込めて若手4選手を“NEXT4”と命名した。

 春高バレーで優勝するなど、高校時代から華々しい活躍を残し、昨秋のアジア大会でも活躍した石川祐希(中央大学)や柳田将洋(サントリー)、昨年全日本に抜てきされ、ワールドリーグやアジア大会でレギュラーの座をつかんだ山内晶大(愛知学院大学)の3名に加え、次世代の“期待の選手”として脚光を浴びる形になったもう1人の選手。普段ならば、目立つのも注目されるのも大好きで、「自分が出た試合は録画して見直すけれど、他の選手が活躍した試合は見ない」と言い切る、20歳のオポジット(スーパーエース)、高橋健太郎。

「周りの3人に比べたらまだまだ。場違いなところに来ちゃった感じです」

 201センチ、未完の大器は少しはにかんだ。

転機となったアジアユースの経験

 中学生まではバリバリの野球少年だった。夢は甲子園球児とプロ野球選手になること。体も大きく身体能力も抜群。甲子園のマウンドに立つ自身の姿を何度も想像しながら、父と2人、トレーニングを重ねて来たが、右肘のけがで野球は断念した。高校入学時は「もうスポーツはいいや」と思っていたが、米沢中央高校(山形)への願書提出の際、バレーボール部の顧問の目に留まり、考えもしなかったというバレーボール選手としての生活が始まった。

 練習は楽しいと思うどころか、苦痛にしか感じたことがない。そんな高橋にとって大きな転機となったのが、高校3年時(2012年)に出場したアジアユース。初めて海外に行き、日の丸をつけ、イランや中国など体格で勝る相手と戦った。国内でも「上には上がいる」と思いながらも、高さには自信があった。だが、その自信を打ち砕くようにブロックなどもろともせず、空いたコースや時には上から、強烈なスパイクをたたき込む他国の選手たちの存在が、高橋の闘志に火をつけた。

「静かに淡々と自分のプレーをするタイプの選手もいるけれど、自分の場合は真逆。常に熱くなるし、相手とケンカするぐらいの気持ちでぶつかりたいんです。だからアジア(ジュニア)の時はイランが開催国で、完全にアウェーだったけれど、会場が盛り上がっていると自分も燃える。『ここで何かできたら、人生変わるんじゃないか』と思えたし、実際に今までできなかったこともできるようになった。スイッチが切り替わった瞬間でした」

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。著書に『高校バレーは頭脳が9割』(日本文化出版)。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)、『青春サプリ』(ポプラ社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など女子アスリートの著書や、前橋育英高校硬式野球部の荒井直樹監督が記した『当たり前の積み重ねが本物になる』『凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること』(カンゼン)などで構成を担当

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