茶道はスポーツに通ずる!? 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

【松原渓】

抜刀の次は……

 柔道、剣道、弓道、居合道、華道、茶道、書道……日本文化と切っても切り離せない、芸や技を極める「道」。勝敗よりも一つのことを極めるその世界観を学びたい、という気持ちから 、前回は「抜刀」(居合道)に初めて挑戦した。

 同じ目的で、今回は「茶道」の魅力に迫ってみたい。授業を受けたのは、前回と同じ、銀座にあるHisui TOKYOだ。

 そもそも、「茶道はスポーツに通じる部分があるのだろうか?」という疑問があった。しかし、体験してみて、茶道の動きや精神は勝敗を決めるスポーツにも応用可能な部分が多いと感じた。たとえば、正座やお辞儀の際の姿勢(筋肉の使い方や呼吸法)、挨拶(お辞儀)、言葉の選び方や伝えるタイミング(コミュニケーション)、一服のお茶を立てるためにかける緊張感(精神面の鍛錬)などだ。

 茶室という非日常の空間でお茶を入れ、いただく。その作法だけでなく、茶碗(陶器)を愛でたり、茶室の中の掛け軸やお花を鑑賞して季節の移ろいを感じたりと、茶道はさまざまな芸術の分野を含んでいる。茶道も居合道と同じくいくつもの流派があり、その数は100から500とも言われる。

 戦国時代には武将の外交や交渉などの場としても利用されたそうで、武士にとって茶道は自己の品格を知らしめる“たしなみ”として不可欠のものだったのだ。現在の茶道の原型を完成させたと言われる千利休は、その心得として「和敬清寂(わけいせいじゃく:和=調和の精神、敬=相手に敬意を払う精神、清=茶室、茶道具、花、心などを清らかにする精神、寂=静寂、さびの精神)を説いたという。

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著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

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