バイス「7月に処分を解除できる感触」 第3回タスクフォース会議 報告記者会見

スポーツナビ

バイス「包括的に日本バスケを問題視している」

U−19女子日本代表の世界大会出場停止が決まったことについて「日本のバスケットボールのために、苦渋の選択を行った」と説明したバイス氏 【スポーツナビ】

――U−19女子日本代表の出場停止について。今回の一番の問題が男子のトップリーグの問題にもかかわらず、対極にあるアンダーカテゴリーのしかも女子が出場できないということになっている。これが単に時間的な問題だったのか? 例えば男子のシニアを出場させないという選択肢もあったのか?

バイス 一つ誤解があると思う。われわれは現在、男子と女子、シニア、ユースということでなく、包括的に日本のバスケットボールを問題視している。今回の(U−19女子の)世界選手権は3月が抽選だけれど、7月に資格停止処分が解除されるか分からない中で、出場のゴーサインを出すことはできなかった。例えば7月に向けて待機するように伝えるというのも酷なことである。われわれは別にトップリーグ、プロの問題をU−19、女子に犠牲になってもらっているわけではない。日本のバスケットボールのために、われわれは苦渋の選択を行っている。

 もしU−19の女子について、例外的に出場を認めた場合、われわれFIBAとしての資格停止処分を行った判断基準自体が甘く見られる。残念ながらこのような厳しい判断をした。

 個人的には彼女たちに対して、大変申し訳なく思っている。また最後の最後まで川淵さん、そしてJBAの梅野(哲雄)さんから、「例外的な措置を取ることはできないのだろうか?」という相談を受けていた。しかし今回の資格停止処分は、日本のバスケット界全体の問題である。それをすべてクリアすることができない以上、われわれとしては出場を見送る措置を取った。しかし7月には処分が解除されるであろうということを、私は確信している。われわれは大変良い方向に向かっている。

――U−19女子の処分を聞いたときの気持ちは?

川淵 バイスさんはすべて好意的に、われわれに配慮してくれている。そういった中で今回の決断をされたことは、やむを得ないと理解しました。

――7月に行われるユニバーシアードの出場はどうなるのか?

バイス 国際大学スポーツ連盟(FISU)とFIBAは協定を結んでおり、両者の関係はIOC(国際オリンピック委員会)とFIBAに類似している。現時点ではユニバーシアードも含めて、バスケは出場停止になっている。しかし川淵さんとも協議をした結果、われわれとして7月には良い方向に決定するのではないかと確信している。

――1部と2部の入れ替え戦をやると仮定した場合、2部側のチームが本拠地などの問題で(1部の)資格を満たさない場合、昇格できないという理解でいいのか?

川淵 それで結構です。

――バスケ界には“ホームアリーナ”がある意味、メリットを理解している人が少ないようだが、川淵チェアマンはそこをどう考えるか?

川淵 (メリットは)掃いて捨てるほどあるから説明できないけれど。だってホームって自分の家でしょ。自分の家に来た、自分のチームの応援に来たとか、そういう感じを持つのがホームアリーナ。そういうのが無くて固定的な観客動員なんかできないです。そういうことをみんなが分からないと言うのでは、プロバスケットボールリーグなんて成功しません。そうとしか言いようがないし、それが答えです。

川淵「メディアへの対応も指導する」

――現状だと取材に協力的でないチームがあり、試合が終わったあとにミーティングで長く待たされ、逆に選手がすぐ帰ってしまう場合がある。新リーグとして一定の時間を設ける、メディアアクセスの便宜を図るということは考えているのか?

川淵 それは非常に申し訳ないですね。そういうことができないようなリーグだから、なかなか報道してもらえないんです。一番大事なのはファン。そして記者の人にどのようにちゃんと対応するかでチームが成り立ってくるわけです。現時点ではアリーナに記者席をいくつ設けるかというところまでまだ決めていないのですが、そういうことは絶対に決めなければいけないと思っています。記者席を最低いくつ準備するのか。そういうことをやっているのかは分からないけれど、配慮してないチームがあるのかもしれません。

 一番大事なのは記者の取材にどうちゃんと対応をするのかです。Jリーグができたときに、まったくダメなチームがあって、厳しく指摘してきちっと対応するようなことを指導しました。そういったことは(バスケの新リーグでも)きちっとやっていきます。今年の10月から、もう次のリーグがありますね。その時にも記者に対してきちっと対応しろということを、bjリーグには直接的な命令権がないけれど、チームにそういうことを要求していきます。

バイス 私にとっては歓迎するべき質問なので、少し補足させてほしい。プロリーグというのは、チームが勝とうが負けようが、ちゃんとプレスに対応することが一番の前提だ。(記者からの指摘は)プレスとの協力関係がなされていないという、プロにあるまじき対応についてだが、これは日本に特化したものでなく世界各国で同じような傾向が見受けられる。これは規定として定め、その上で選手、コーチ、役員の皆様にセミナー等を開催することで、メディアとどのように付き合うべきかを教えていく必要がある。皆さんに今後すべての取材に協力すると私から約束はできないが、今後はこの点が解決されていくだろう。

川淵 それは約束します。

――ファンや選手から「新しいリーグの形はできているけれど、どうなるか分からない」という声が多い。2人からファン、関係者に向けてあらためて「行けるぞ」というメッセージを聞かせてほしい。

川淵 ファンあってのプロスポーツです。ファンの皆様が応援してくださって初めて、チームも盛り上がる。そんな中で日本代表に選ばれたいという選手がたくさん出てくれば、子どもたちの夢にもつながると思う。ぜひファンの皆様には、ホームアリーナに来ていただいて、チームを応援していただきたいと心から願っています。

バイス 川淵さんとまったく同じ意見だ。今晩は(NBLの)試合を観にいく予定になっているが、日本のバスケットボールに未来が無ければこのようなことはしない。私自身が日本のバスケットボールの未来に関心がなければ、実際に試合を観に行くようなことも無いだろう。

 今回の来日は最後でなく、私は今後も月1回のペースで日本に来る。プレスへの透明性という意味で、今回われわれがこのような場を持つことによって、プロらしく皆さんに公平にお伝えしていきたいと思う。各チームにも、われわれを規範にしてもらえたらいいと考えている。

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