バイス「7月に処分を解除できる感触」 第3回タスクフォース会議 報告記者会見

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バイス「すぐに結果を求めることは良くない」

「最大の難問はいかに会長や、運営の中心になる事務総長を選んでいくか」と話した川淵チェアマン(中央)。JBAの人事についても注目が集まる 【スポーツナビ】

――マーケティングの話について。Jリーグは年間に120億円から130億円というスポンサー収入がある。バスケではどれくらいの規模を期待しているのか?

川淵 この辺は希望的観測とかいろいろなことを考えて、最低10億円あればいいな。20億円あれば、各チームに配分できるな。15億円あればまあまあ……という自分なりのイメージがある。ただ正直に言ってさっぱり分からないです。最低という言い方がいいのかどうかさえ分からないけれど、15億円あれば、何とかチームが配当としてそこそこ喜んでもらえる(額を分配できる)のかなと思います。ここは電通さんの努力に、ともかくお願いするより仕方ないです。

 テレビの放映権についても、現にいろいろ放映していただいているけれど、サッカーのようなわけにはいかない。放送はしてもらえるとは思いますけれど、正直読めないです。

――ドイツリーグの成功例も踏まえて、スポンサー収入を含めてどれくらいの規模のリーグを期待されているか?

バイス ご興味は理解しているが、バスケットボールとサッカー、バスケットボールと野球、サッカーと野球というように、スポーツを互いに比較することは間違っている。この競技は何億なのでわれわれはいくら集めなければいけない、というようにお互いをエスカレーションさせてはいけない。

 もちろんパートナー、スポンサーを獲得するために尽力していくことになる。リーグに関しても同じだ。しかしどんなにわれわれが電通という素晴らしいパートナーを得たと言っても、短期的な視野ですぐに結果を求めることは良くない。まずは忍耐をもって、われわれは今どこの立場にいるのか、そしてバスケットボールをファンにとってどう魅力的な物にしていけるかを考え、それを踏まえて長い目で見てスポンサー、パートナーを獲得されていくべきだ。

 バスケが他のスポーツと違う大きな点は、他のスポーツに比べて若い、ダイナミックである、アスレチックであるという点だ。他にもバスケットボールは一人でできるスポーツ。一人でボールをゴールに入れればいいわけだ。確かにサッカーやハンドボールも同じことが言えるけれど、バスケはゴールをしたらシュートがすぐ戻って来る。そして一人でプレーが続けられる。そういう部分は他の競技との大きな違いではないだろうか。

――ユースチームの設置についてだが、カテゴリーは高校生、中学生に分かれるのか?

川淵 基本的な狙いはU−15とU−18です。世界選手権に備えるようなチームという意味で中学生代表、高校代表。余裕ができればU−15、U−16、U−17くらいの、それぞれの年代でチームが持てるようになればいい。でもコーチもいますし、チームには経費が掛かる。マーケティングが拡大すれば、そういうことをわれわれとして要求できる部分が多くなるので、ぜひそうなってほしいと思っています。

 あまりにいろいろな条件設定をすると、中体連や高体連との関係もあって、今すぐにそういうことをできにくい背景がある。少なくとも「若手のチームを保持できるよ」ということをとりあえず提案してもらえればいいです。

川淵「最大の難問はいかに会長や事務総長を選んでいくか」

――bjリーグだと琉球ゴールデンキングス、秋田ノーザンハピネッツ、NBLであればアイシンシーホース三河やリンク栃木ブレックスが集客と実力を伴ったチームだが、チェアマンは4チームの評価、印象をどう考えているのか?

川淵 今おっしゃったチームを(私が)まだ見ていないんです。だからコメントのしようがない。非常に魅力的なチームということはよく分かっています。ただ外国人選手が3人プレーできるbjリーグと、2人プレーできるNBLとの差が、それぞれどう表れるかという実態もよく分かりません。

 いずれにせよ五輪にまだ出ていないのだから、代表チームが五輪に出るための努力は今までまるでなされていなかったのと同じだとバスケットボール界は理解して、若手の養成・育成に全力を挙げて取り組むべきだという気持ちだけはあります。

――次に行われる4月28日のタスクフォースの内容は? 何を決定するのか?

境田 4月いっぱいがエントリーの締め切りなので、そこで全チームが確定するという発表があります。ガバナンスの面でJBAの改革案が決まりますので、その内容を発表するのがテーマです。

――財務などすべての条件はクリアできるけれど、アリーナについては一つの会場だと難しく、県内の大きな会場を(不定期に)使ってクリアするというチームを認めることはあり得るのか?

川淵 ホームアリーナはホームアリーナなんです。3つも4つもあるのをホームアリーナとは言いません。ホームアリーナという存在そのものが、少なくともbjリーグには無かったわけです。大抵のチームは使用するアリーナが3つか4つで回しているわけです。ホームアリーナを持っていなくて、何故その価値を分かっているのかと思います。ホームアリーナを持つことによって、観客動員なり、チームの地元への根付き方というのが、そこから発生してくるんだという意識を持ってほしいということです。あちこちにホームアリーナを持つなんて言うのは、考え方としてあり得ないですね。

――協会のガバナンスに関して。今までの強化は、組織の何が問題と考えて、こういう組織形態になるのか? また定款の変更について日程がどうなるのか?

川淵 何がいけかなかったって、ガバナンスがいけなかったんですよね……(苦笑)。要は、例えば都道府県協会に対してきちっとした指示を(JBAが)しても、相手が素知らぬ顔をしたときに、ある程度許さざるを得なかったということがたくさんありました。運営そのものも人任せでやっていた。協会自身がリーダーシップを取って、いろいろな行事に率先してやってきたということでなかったから、今こういうふうになっているわけです。

 リーグが2つに分裂した後の対応に関しても、十分な話し合いの機会をお互いに持ったと言っていますが、僕に言わせれば本当に折り合う前提で話し合っているとはとても思えない。リーグが2つあるということは、ガバナンスがなってないとそれだけで言われてもおかしくない。それを(JBAは)FIBAから指摘されているわけですね。そういう意味から言うと、今回は強力なガバナンスが発揮できるような組織にするために、どうしなければならないかというのは非常に難しい問題で、どんな立派な定款やルールがあっても、最後は人ですね。その人をどう探していくかというのは、しかもFIBAからの指示によると、過去バスケットボール界に関係した人を排除してという言い方はいけませんけれど、そういう人たちを一応は除外した形で、新しいメンバーで協会の幹部を決めてほしいということを言われています。僕なんかは人が分からないので、いろいろな情報を今集めていますが、最大の難問はいかに会長や、運営の中心になる事務総長を選んでいくかということです。でもそれを解決しないと、FIBAが最後は許可できないということになるでしょう。このところは、あと3カ月足らずの間にしっかり人を見つけ出す作業をしなければならないです。

川淵「アンチ川淵が出て来ることを願っている」

――五輪予選に出場できるという方向だと判断してもいいのか?

川淵 それはいいと思います。バイスさんといつも話し合いをしながら、問題点があるときは「こうでなければFIBAは認めないよ」という助言もいただいています。バイスさんの意見を取り入れながらやっている限りにおいては間違いないと思います。

――新しい会長を選ぶ際のイメージは?

川淵 やはり強力なリーダーシップを発揮する人でなければ非常に難しいです。バスケットボールを知っている人に絶対限るということではないと思います。しがらみがあったり、バスケットボールの世界だけで生きてきたネガティブな面が出ないとは限らない。そういう人がいたならば、今のようなガバナンスの問題を、FIBAからとやかく言われる筋合いもありませんね。そういうことを考えると、本当に難しい人選だと思います。

 最後に質問が無いなら僕からちょっと言いたいのだけれど。今日は「仮に磔(はりつけ)になっても、これはやらない」といった知事(佐竹敬久/秋田県)の発言について必ず質問があると思って待っていたのだけれど、誰からも無くてがっかりしちゃった。

 それは何かと言うと、Jリーグがスタートする時に、読売新聞の当時の渡邉(恒雄)社長がJリーグと僕をいろいろと批判されたわけですね。結果的にはその批判が、ものすごく大きな力になったんです。十数年経ってから感謝した話ですけれどね。あのときに渡邉社長がいろいろと言われなかったら、JリーグのPRの機会はほとんど無かったんです。渡邉さんがそういうことを言ってくれたから、いろいろなところにJリーグの理念が広まり、Jリーグが何をしようとしているかマスコミの皆さんがどんどんと書いてくださった。だからJリーグは世間に認知されるようになったんです。

 そういう人が欲しいなと思っていたら、秋田県の知事が「仮に磔(はりつけ)になっても」と言ったから、ちょっと位置づけは違いますけれど、これをうまく利用するかと思っていたら、今日は何も質問が無かったので、僕としては非常にがっかりしているんですよ。僕からのコメントはしませんが、アンチ川淵が出て来るというは僕にとって“勿怪の幸い(もっけのさいわい)”というところがあります。どこかでこのことをコメントしたいと思いますけれど……。渡邉さんに勝てる人はいないと思いますけれど、もっと出てくることを願っています。

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