川淵チェアマン「解決できないはずない」 第1回タスクフォース会議 報告記者会見
望むべきところはJリーグと同じ
「望むべきところはJリーグと同じ」と話す川淵チェアマン。地域に根差したリーグを目指す 【スポーツナビ】
我々として一番望むべきところはJリーグとまったく同じなのですが、「地域に根差す」がキーワードです。地方のバスケ協会、行政と、どういう連携を取っていくのか。プロとして成功するためには、それにふさわしいアリーナが必要です。日本中にあるアリーナをすべて調べましたけれど、靴を履いて入ってはいけないとか、物販してはいけない施設があります。そういう規制を取っ払って、バスケットボールリーグとして成功する、そういうバックアップをしてくれる行政が、どれくらいあるのかというところから、アプローチを始めたいと思っています。
僕もプレーオフを去年と一昨年に見ました。すごく盛り上がっていて、bjリーグのエンターテインメント性、プロとしての営業努力は、10年の経験を経て立派なモノができています。しかしNBLは、どちらかと言えば企業スポーツですから、エンターテインメントとはちょっと違います。どういうことが将来考えられるかについては、これから現場に行って、自分なりの考え方を出していければと思います。
トライ&エラーで、PDCAサイクルを回す
僕が積極的に意見を言う場所と、専門家の方々が検討すべきところがあると思います。例えば、日本代表を強化するために外国人選手は1人でいいのかどうか。僕は5人のうち1人で十分だと思っていました。それでは外国人選手がマッチアップしてしまうので、あとの4人は日本人同士のマッチアップになる。それだと代表としての強化にならないという話を聞いてなるほどなと思いました。こういった部分は専門家の話を聞かないと良い方法が見えてきません。
その辺りも簡単ではないし、完璧なものを初めからはできません。完璧な状態でスタートしようというのは大間違いです。トライ&エラーで、PDCAサイクルを回す。スタートして、まずければどんどん変えていけばいい。その前提となるものは、魅力的な子どもたちがプロ選手になりたいなと思えるビジョンを、あるべきプロとしてのトップリーグの姿を示して、それに向けて各クラブが努力していくことだと思います。
今までは、どういうことを討議して、どういう方向に進むのかが、ファンやブースターの人に伝わっていませんでした。今、何を討議しているのかをできるだけオープンにし、関係者や選手も含めて、ファンやブースターにも意見を聞いて、良いトップリーグを創り出せればと思っています。4カ月ちょっとしか時間がありません。こっちの仕事にある程度力を入れてやっていきたいと思います。
目指すべき目的とイメージを明確に描いている
私からいくつか付け加えさせてもらうと、今から挙げるのはFIBAでも重要視している問題だ。私はタスクフォースの中で、(バウマンを除くと)唯一の外国人だ。残りの皆さんは全て日本人で、それぞれの分野のスペシャリストだ。我々としては、タスクフォースが日本人の手で立ち上げられ、実行されていくことを重要視している。
また我々としては、タスクフォースの事業をファン・ブースターの皆さん、メディアの皆さんに透明性を持ってお伝えしたい。質問やご意見があれば、我々にコンタクトを取ってもらいたい。それは私たちにとって貴重なものだ。川淵チェアマンへの支援を是非ともお願いしたい。
各個人がそれぞれの専門分野で、ベストを尽くすことをお約束する。それを元に、日本の新しいリーグ、ガバナンスといった新しい組織をつくり、育成強化方法を模索していく。日本は素晴らしい国、日出ずる国だ。日本のバスケも、日出ずるスポーツになっていくよう願っている。