ゼロから始めるランニング(2) 本当に痩せる? 10の疑問Q&A

スポーツナビDo

朝と夜のランニング

朝と夜、走るのに適しているのはどっち? 【スポーツナビDo】

Q.4――朝と夜、走るのに適しているのはどっち?

A.実はどちらでもいいんです。走るという生活活動は、先ずは、骨、神経、筋肉が三位一体となった運動が起こり、そこから心臓、血管、血液、呼吸器の運動が続きます。朝起きてすぐというのは、骨、神経、筋肉をスムーズに動かすことができるのに適した時間帯。ただ、気をつけなければいけないこととして、心臓、血管、血液、呼吸器の運動がうまく行かない場合があります。だからウォーミングアップをしっかりしないといけません。
 逆に夜のデメリットとしてあるのは、1日の終わりですので、骨、神経、筋肉の運動が疲労感を残しながらさらに運動を続けることになります。ですから、朝走るのも夜走るのも、良くもあり悪くもありということですね。その人の生活リズムにあったものを選択するのが一番ではないでしょうか。

 強いて言えば、朝走る場合は、先ほども指摘しましたように心臓、血管などの運動がうまく行かず、場合によっては心臓麻痺など大変危険な状態になることも考えられますので、十分に準備運動を行うようにしてください。

どれくらい水分を摂ればいいの? 【スポーツナビDo】

Q.5――ランニングコースはどうやって設定すればいい?

A.大通り、人がたくさん行き来するところを走るようにしてください。つまり幹線道路ですね。最初はそこを真っすぐ行って、帰ってと往復するだけで十分です。道順を覚える“頭の運動”は、返って疲れますし面倒なので避けたいですね。まずは歩いているのか走っているのか分からないような、ゆっくりしたペースで15分〜20分走り、足でその15分〜20分を覚えるんです。そうすると2キロ〜2.5キロという距離の感覚がつかめるようになります。この距離の感覚がつかめるようになったら、道を曲がってみたり、遠回りしてみるなど、いくらでもコースを作ることができます。これを繰り返していけば、だんだんと足が距離を覚えていきますよ。

Q.6――水分補給はどうすればいい?

A.2キロ〜5キロくらいのランニングであれば、消費カロリーも高くありませんし、失う水分もコップ2杯分くらい。ですから、ランニング前と後にコップ1杯分ずつ、だいたい200ml〜250mlを飲めば十分だと思います。

お金とケータイは持っていく?

お金と携帯は持っていったほうがいい? 【スポーツナビDo】

Q.7――財布や携帯電話などの持ち物は?

A.これも2キロ〜5キロくらいのランニングであれば、何も持たなくても大丈夫でしょう。心配でしたら150円だけ持って、100円玉と50円玉をそれぞれ左右両方のポケットに入れておけば、バランスもいいと思いますね(笑)。それで自販機で130円の飲み物を買えばお釣りが20円ですので、また10円玉をそれぞれ左右のポケットに入れればバランスもいいままです(笑)。

 携帯に関しても、手で持ったり、ポケットに入れておくのも邪魔になると思いますから、特に持たなくてもいいと思います。「日本人の国民性調査」の結果でも分かるように、何かあればみなさん親切ですから助けてくれます。ですので、できるだけ大通りや明かりのある道を走るのがいいと思いますね。
Q.8――信号待ちの際には足は動かす? 動かさない?

A.その場で足上げだけでもしていた方がいいですね。動きを止めてしまうと疲労物質が出てきてしまいますから。なるべく疲労を感じないためには、体を活動させ、血液を循環させた方がいいです。

Q.9――走っていると口の中に唾液が溜まってしまいます。どうすれば?

A.マナーを守って吐く分にはいいと思います。走り始めると咀嚼運動、すなわちアゴを動かす動きが無意識に活動的になります。そうすると、どうしても唾液腺が刺激されて、口の中に唾液が溜まります。無理に飲み込むと不快感もあるでしょうから、マナーを守って唾液を口の中から出すようにしましょう。

ランニングは痩せません?

Q.10――結局、ランニングをすれば痩せることはできますか?

A.率直に言えば、痩せません! ただし、これはQ.1で回答したペースで走り続けた場合です。男性なら時速6.5キロ〜7キロのペースで15分〜20分、距離にして2キロ〜2.5キロ走ることをまずは目安にと話しましたが、これは『生活活動』と呼ばれるレベルの運動量でしかなく、心に爽快感を得られるレベルです。このペースで走っても残念ながら痩せません。

 では、どれくらいのペースで走れば痩せるのかと言いますと、心臓が少しドキドキする位の“ややキツイな”と思えるペースです。具体的な数字で表しますと、男性なら時速9.5キロ〜10キロのペースで、距離にして3.5キロ〜4キロです。これくらいのペースになると腕や脚の筋肉にも負荷がかかる『筋活動』と呼ばれる運動量となり、体に変化が現れるレベルとなります。

 もちろん、時速何キロのペースというのは人によって個人差があると思いますから、“ややキツイ”ペースというのは、走りながら人とのおしゃべりができるかできないか、というところを目安にしていただければと思います。

 ここで気をつけていただきたいのは、痩せたいからと言って、いきなり“ややキツイ”ペースで走り始めないこと。最初からこのペースで走ってしまうと、やっぱり苦しいのでみんな長続きしないんです。ですから、まずはQ.1で回答したペースで走り始め、体を慣らしてから“ややキツイ”ペースに移るようにしてください。

 ランニングでのダイエットは1日にしてならず、です。

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

内田英利(うちだ・ひでとし)

1971年生まれ。茨城県出身。日本大学卒。在学中に運動生理学などを学び、その後、米国の栄養修士課程を経る。日本成人病予防協会認定講師。全米エクササイズ&スポーツトレーナーズ協会(NESTA)認定講師。現在は女性や高齢者向けの生活習慣病予防プログラムの開発、企業での講演活動・運動指導、トレーナー育成などを行う。フィットネス施設の運営などを行う「フィットネス・ゼロ」代表取締役。パーソナル・フィットネススタジオ「コア・フォレスト」運営責任者。貴乃花親方が考案・監修した貴流運動法を「シコアサイズ」として共同開発。
フルマラソン歴13年、マラソン指導歴7年。ベストタイムは2時間45分01秒。

取材協力 コアフォレスト

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著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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