一挙解決!お風呂で疲労回復、快眠、美肌 お風呂博士の教えはコレ!(1)

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疲れた体では、トレーニングもムダに!?

 ランニングやサッカーなど、自らもスポーツをする“お風呂博士”石川さん。トップアスリートから一般の方まで多くのスポーツ愛好家と接しています。そんな中で、マラソンのサブ3、サブ4(3時間以内、4時間以内のタイムで完走すること)といった高い目標を目指して“頑張り過ぎ”てしまう人たちの存在を感じているそう。
 でも、体が疲れた状態でトレーニングを続けると、どんどんパフォーマンスが下がってしまうんです。

「ランニングで言えば、走るタイムがトレーニングすればするほど、どんどん遅くなる。サッカーで言えば、今まで当たり前にできていたコントロールのいいセンタリングが上がらないような状態になってしまいます」

 疲れたままの体だと、せっかくの頑張りもムダになってしまうとは……。

「サブ3を目指すような市民ランナーの方は、タイムを出すための『練習が足りない』と思ってしまう人が多いんです。でも仕事もしているんだから、練習が足りないのは仕方のないこと。疲れているときは無理をしても絶対に良い結果は出ないので、まずは疲れをとることですね。リカバリーもトレーニングのひとつです。日常生活も同じ。仕事をすれば疲れますが、きちんと疲労を回復させれば翌日は良い状態で仕事ができますから」

朝起きたら脈を測ろう! 疲れの判断方法

バスクリン社員で“お風呂博士”として活躍する石川泰弘さん。お風呂の効果から活用法まで、3回に渡ってレクチャーしていただきます! 【スポーツナビDo】

 仕事もスポーツもという生活をしていると“疲れた状態”に慣れてしまっている人もいるのではないでしょうか。体のNGサイン、疲れを判断する方法はありますか?

「一般の方は、朝起きたときの脈拍数が目安になりますよ。脈は正直。普通なら毎日の脈拍数は大体一定です。ところが本当に疲れてくると朝の段階で脈拍がボンと上がってしまいます。それはちゃんと眠れていない、疲労回復ができていないということ。そういうときは、オーバーリーチ(2〜3日ほどの休養が必要な状態)、オーバートレーニング(長期間の休養が必要な状態)の手前だから、無理をしない方がいいです」

 疲労回復は脈でチェック。体調改善やスポーツのパフォーマンス向上につなげたいですね。

お風呂に入って「入浴→快眠→疲労回復」

 ハイ、ここからいよいよお風呂の出番です! 疲労回復に必要なのは「食べる(エネルギー補給)」と「休息」。お風呂に入って血流を良くし体温を上げることで両方に好影響があります。

「スポーツ後、まずは(食事などで)エネルギーを取りますよね。それを体中に運ぶのは血液です。お風呂に入ると血液の循環が良くなるので、摂取したエネルギーが体中により届きやすい状態になるんです」

 もう一方の「休息」の面ではどうでしょう。

「お風呂で疲れがとれるわけではないんです。お風呂に入ることで、その後の眠りが良くなるから疲れがとれるんです」

 おっと、お風呂博士! そうなんですね。では、お風呂に入るとなぜ眠りが良くなるのでしょうか。
 眠りには、浅い眠りと深い眠りがあり、最初の深い眠りに成長ホルモンが出てきます。成長ホルモンの役割は、栄養の吸収や筋の修復などさまざま。そのため、最初にいかに深い眠りに入れるかが疲労回復のポイントです。

「人間は体温が下がった時に眠くなるので、スムーズに体温を下げることが大切です。体温の変化率(下がり方)が急な方が、眠りが深くなります。お風呂に入って一度、体温を高く上げると、血管も拡張しているので熱放出もどんどん進みスムーズに体温が下がる。お風呂に入らなくても(夜が近づくと)体温は緩やかに下がっていきますが、お風呂に入った方が一気にグーッと下がるので、深い良い眠りに入れるんです」
 お風呂に入ると疲れがとれる気がするのは、そういうことだったんですね。シャワーだと体温はなかなか上がらないため、良い睡眠にはやはり「入浴」するのが良いそう。

 次回は、お風呂に入る時間、タイミングは? 半身浴と全身浴、体に良いのはどっち? など、お風呂博士おすすめの、お風呂の効果的な入り方をご紹介します。

(取材・文:小川麻由子/スポーツナビ)

“お風呂博士”石川泰弘(いしかわ・やすひろ)

温泉入浴指導員や睡眠改善インストラクターの資格をもち、“お風呂博士”としてテレビや雑誌などに数多く登場。健康・スポーツとお風呂の関係や、効果的な入浴法などについて、学校や自治体、他企業など全国各地で講演会も行っている。サッカー好きで週末ランナーというスポーツ愛好家。株式会社バスクリン販売管理部販売促進課マネージャー広報責任者。順天堂大学大学院博士課程に在籍。

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著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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