ランニングにひそむ体のリスク 「脱水症」3つの対策方法とは

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【Getty Images】

 体と心をほぐしてくれるランニング。でも、注意しないと「脱水症」に陥ってしまうそうなんです。

 なぜ脱水症になるの? 予防法は? 医師が中心となり活動する「教えて!『かくれ脱水』委員会」が警鐘を鳴らすリスクと対策をきちんと知って、気持ち良いランニングライフを送りましょう!

ランニングには脱水リスクがつきもの

 ランニングをすると体温が上昇します。その体温を元に戻すために、体は汗をかくことで温度調整をします。そうして汗をかき、体から失われた水分・電解質を補給しないでいると脱水状態に陥ってしまいます。

 では、脱水状態になると体にどんな影響が出るのでしょうか? 脱水状態になると、臓器の機能に影響を及ぼすため、筋肉のけいれん、疲労や倦怠感、頭痛、めまい、吐き気といった体調の変化があらわれて脱水症となるのです。

命の危険も! 甘くみちゃいけない脱水症

 脱水症というと、「ちょっと頭がくらくらする状態」「水を飲んで休んでいれば治る位の症状」……と、甘くみてはいませんか? 比較的軽度であれば「休んでいれば治る」かもしれません。でも脱水症は、熱中症を引き起こす原因にもなります。熱中症は、命の危険や意識障害が起こることもある恐ろしい病気。健康のために続けたランニングで体を壊さないよう、しっかり準備をしてレースや練習に臨みましょう。

水を飲む…だけじゃダメ! 脱水の正しい予防法

 ランニングでの脱水を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか? ランニングを愛する医師の団体NPO法人日本医師ジョガーズ連盟のランニングドクター・中村集医師は、以下の3つをポイントとして挙げています。

<ランニングの脱水対策 3つのポイント>
1)レース中の給水プランを立てること 走っているときの給水の目安は、1時間あたり400〜800ml

2)レース前、レース後にも、電解質を含む経口補水液などで十分な水分補給をすること

3)天気予報をしっかりチェック。熱くなることが予想されれば放熱仕様のウェアの着用など服装の検討を

・水分補給の量とタイミング
 レース前:1〜2時間前に250〜500mlをこまめに補給
 レース中:5kmごとの給水ポイントで適切な量の水分を補給
 レース後:体重減少の70〜80%の水分を補給

 注意した方がいいのは、水分補給といっても「水分だけではなく電解質の補給(特にナトリウム)と糖分が必要」(中村医師)だということ。OS−1などの経口補水液が、より良いそう。
 電解質を含まない水を飲みすぎると、血中ナトリウム濃度が下がり、不安感やめまい、頭痛などの症状を伴う「水中毒」を起こす危険性があるそうです!

 適切な運動は体と心を健康にしてくれます。でも、何事もやり過ぎや間違った方法はNG! 「体調に変化を感じたら中止することもいとわないという意識をもっていてほしい」と中村医師。自分の体調をしっかり感じて、健康的にランニングを楽しみたいですね。
※中村医師へのインタビューは、「教えて!『かくれ脱水』委員会」のホームページ『かくれ脱水Journal』(http://www.kakuredassui.jp/)にて公開されています。中村集医師インタビュー、ランナー必読!ランニングを安心して楽しむためのQ&A(かくれ脱水コラム)URL http://www.kakuredassui.jp/column5
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習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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