ハワイに行ったら1度は走りたい! ワイキキで極上サンセットラン

スポーツナビDo

夕日を見ながら走ったら気持ち良さそう

夕日を見ながらビーチを走るのは気持ち良さそうですけど…… 【スポーツナビDo】

「ビーチに沈む夕日がすごくきれいなんですよ。ちょっとサンセットランに行きませんか?」

 ハワイ初日の昼下がり、そう誘われたのがきっかけだった。今回のホノルルマラソン取材の主目的は、株式会社NTTドコモのアプリサービス「Runtastic for docomo」と、株式会社ゴールドウインが販売するウェア型のトレーニングデータ計測用デバイス「C3fit IN-pulse」を使用してのホノルルマラソン完走を記事にすること。そして、実際に走るのが僕ではなく、サンセットランの誘い主でもある埼玉県の会社員・杉山昌輝さんだ。

 この杉山さん、これまでフルマラソンは8回完走して、自己ベストも3時間48分。大会前は月200キロ〜250キロくらい走るのだという。陸上部だったのに学生時代の体力測定1500メートル走で6分を切った覚えがなく、また、20年以上前の中学時代のマラソン大会以来5キロ以上を走ったことがない僕とは“レェェヴェルが違う”((C)外道)のである。
「サンセットランですか? いいですねぇ、ハワイのビーチで夕日を見ながら走ったら気持ち良さそうですね。あ、でも、僕普段は全然走らないですし、杉山さんのペースにはついていけそうにないですから、かえって迷惑になるかもしれないですし……」

 と、僕はゴニョゴニョ言いつつ、何とかやり過ごせないかと思っていたが、「大丈夫ですよ。ちょっと軽く走るだけですし、目的地のマジックアイランドは近いですから」と杉山さん。満面の笑顔で答えてくれるものだから、ここは大人として断るわけにはいかない。

 じゃあ行きましょう! というわけで午後5時過ぎ、滞在先のホテル前をスタートした。

ゆっくりとした時間が流れているよう

青いラインが今回走ったコースです 【スポーツナビDo】

 コースは、ワイキキ・トレードセンター近くのホテルから、ホクラニ・ワイキキ、ワイキキ・ビーチ・ウォークを経由して海岸へ。そこから海沿いを走り、ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ、ヒルトンラグーンをぐるっと周り、アラワイ運河を飛び越えると、あとは目的地であるハワイの観光スポットとしても有名なマジックアイランドの先端まで一直線。およそ4キロ弱のランニングコースだ。

杉山さん、待ってくださ〜い 【スポーツナビDo】

「ここはワイキキ・ビーチ・ウォークと言って、あそこにあるお店は○○が美味しくて、そこのお店は××が美味しいんですよね」とか、「このヒルトンでは金曜日の夜に花火が上がるんですよ。すごくキレイですよ〜」と、杉山さんはさながら熟練の観光ガイドのようにワイキキのお薦めポイントを紹介しながら併走してくれる。初ハワイの僕としては、その1つ1つが大変興味深いもので、色々と質問を返したりしながら走っていたのだが、そんな会話が続くのもせいぜい2キロまでだった。

 なにせ、僕のスタミナがまったく持たない。

 杉山さんのガイド付き併走は商売にできるくらい完成されたものだったのだけど、僕はと言えば「はぁ……はい……はぁ……へぇ……そう、なん、ですかぁ……」と、話しているのか、ただ息が切れているだけなのかよく分からない生返事を繰り返すだけで、申し訳ない思いでいっぱい。

バンドの生演奏を聴きながらのんびりカフェタイム 【スポーツナビDo】

 でも、そんな中でも、沈む夕日を見ながらビーチを走る、というのはとても爽快なものだった。まず、左手に見える大海原の景色が何と言っても綺麗で、海風も心地よい。また、右手側のカフェでは生バンドが演奏し、ビーチに来ている人たちそれぞれが思い思いの夕暮れ時を楽しんでいる。僕の脈の速さとは裏腹に、ここはすごくゆっくりとした時間が流れているように感じた。

ヨットハーバーから見る夕日も息を呑む美しさ 【スポーツナビDo】

これを見るためだけでも毎日走れる

ついにたどり着いたマジックアイランドの先端、ここから見るサンセットは極上だ 【スポーツナビDo】

 そして、それ以上の感動のクライマックスを届けてくれたのはやっぱり、海に突き出した人工のラグーン、マジックアイランドの先端で見た夕日だ。その日は午後5時半ごろが日没の時刻とされていたが、予定より10分ほど遅れてくれたため、僕のノロノロとしたペースでもギリギリなんとか間に合った。

 今まさに水平線の彼方へと沈まんとしている夕日と海、波、砂浜、少し目を移せば見えてくるビル郡やダイヤモンドヘッド、そしてオレンジと濃いブルーが織り成す世界は、何とも言いようがない幻想的な世界。太陽が完全に沈むまでわずか数分の出来事だったけど、息が切れそうでガクガクしていた足もとのことなんかすっかり忘れてしまうくらい、何もかもが洗われる絶景だった。

視線を移すと高層ビル群とダイヤモンドヘッド、これもまた絶景かな 【スポーツナビDo】

あぁ、沈んでしまった…… 【スポーツナビDo】

「あぁ、最高ですねぇ……」

 陸上部時代を含めてこれまで200メートルを超える距離を走って“良かった”なんて思ったことは一度もなかった僕でも、このときばかりはそんな言葉が自然と口から出ていた。それくらいワイキキの海岸〜マジックランドで拝む夕日は至上のもの。これを見るためだけでも毎日走れる――そんなモチベーションにもなりそうなサンセットラン体験だった。ハワイに行ったら1度はやっておきたいアクティビティです。

夕闇の中を歩くビーチも乙なもの

夕闇のビーチもなかなか乙なものである 【スポーツナビDo】

 ちなみに……

「それじゃあ、帰りもゆっくりとしたジョグで行きましょうか?」と、笑顔の杉山さんだったが、自分の体力と翌日以降のことを考えて無念のギブアップ。ほら、僕はサクラバクシンオー型なので……と自分に言い聞かせつつも、スタミナのなさに恥じ入るばかりでした。

 でも、夕闇の中を歩くビーチというのも、夕暮れ時とはまた違った深い味わいがあり、なかなか乙なもの。程よい疲労感に包まれたことで、その日はぐっすりと眠れたのは言うまでもありません。
(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

2/2ページ

著者プロフィール

習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント