元ハイネケン社長に学ぶヨガ オランダから来日40年の“冒険”

芸部歩人

リウマチが悪化「歩けなくなる」

悪化したリウマチを治療するためにヨガを始めた 【(C)ヨガ・ウィズ・シッツ】

 しかし20代から患っていた関節リウマチが40代に入って悪化。「このままだと歩けなくなるんじゃないか」という不安に駆られるほどで、そんな時リウマチにはヨガが効果的だという記事を目にしたことからヨガへ取り組むことになる。

 ビジネスマンとして仕事をしながら、ヨガは日本国内でインド人の先生に師事。
「最初はずっとアイアンガー・ヨガをやって、途中からアシュタンガ・ヨガをやり、ヨガ・セラピーという“ヨガを使って治療する”という考え方があるのですが、それもまた別で研究して、いま私が教えているヨガはアイアンガーをベースとしてアシュタンガに影響を受け、ヨガ・セラピーを考えながらやっているものです」
 現在はヨガだけでなく、同じインド人の師に学んだ断食法も指導中。現代人は飲酒や喫煙・薬など様々なストレスで肝臓を酷使してしまっており、休む間のない肝臓やその他の消化システムを休ませるために断食を行い、結果として体内の解毒や減量が行われるのだという。

 断食は最低3カ月の準備期間を経て1週間行うが、「3カ月の断食をやれば、そんなに太ってない人でもミニマム10kg、一番落ちた人は17kg」だというから驚きだ(あくまで肝臓や消化システムを休ませ、体の解毒を行うのが目的で、減量のためではないのであるが)。

バランスを取り戻すこと

ヨガは「1つのライフスタイル」 【スポーツナビDo】

「ヨガの大きな課題の1つは“バランスを取り戻しましょう”っていうことで、どこのバランスが崩れているかは1人1人違います。どこに自分の課題があるか、そして自分の課題にどこまで気がつくか。これはヨガの大切なところで、体を動かしてヨガをやると自分の課題が見えて分かりやすいし、気づきも得やすいんです。

 自分のやり易いものばかりをやっているとアンバランスが大きくなってしまって、面白いのは自分がやれないこと、苦手なやり辛いものをやらないとバランスは取り戻せないんです。だから、そうしてまず体のレベルで気がついて、それをやっている間に自分の精神的なところ、やるべきこと、生きていくことへの気づきも出てきます。そうした部分も調整・修正がきけばいいことですよね」
 自分の体と向き合い、課題を見つけ、それを克服するための取り組みを通じ、自分の精神にも同様の働きかけを行っていく。ヨガはそうした「1つのライフスタイル」なのだとシッツさんはいう。

伊豆高原「ヨガ・ウィズ・シッツ」

今年開設した伊豆高原の「ヨガ・ウィズ・シッツ」 【(C)ヨガ・ウィズ・シッツ】

 シッツさんは現在、今年開設した伊豆高原の「ヨガ・ウィズ・シッツ」にてヨガや断食を指導中。自然豊かなロケーションでヨガや食事法についてはもちろん、チャック・ウィルソン氏と行った相撲部屋入門体験など多くの冒険譚に耳を傾けつつ、ヨガを学ぶ週末もよいかもしれない。

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著者プロフィール

げいぶ・あると。体験系取材を中心に活動し、「2代目スポーツ冒険家」を自称する40代目前ライター。名前は映画『クリフハンガー』の主人公ゲイブ・ウォーカーから

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