アジアで輝きを見せた“東京五輪世代” 競泳・渡部ら、世界挑戦への収穫と課題
フェンシングの高1女子トリオ
女子サーブルは江村美咲(右)ら、高1女子トリオでアジア大会に臨んだ 【写真は共同】
今年のユース五輪で個人4位になっている江村美咲は、最初の個人戦では予選プールを突破したが、決勝トーナメント1回戦で敗退。高嶋理紗は敗退した予選プールでひざのじん帯を痛めて急きょ帰国というアクシデントが発生。その代役として呼ばれた浜田真帆(09年〜14年世界選手権出場/菊川南陵高職)が入って江村と向江彩伽で戦った9月23日の団体戦は、1回戦で強豪の中国と対戦。1番手とアンカーの大役を任された江村が最初の試合で中国を5対2でリードするなど健闘を見せると、向江も中盤でリードする中国との得点差を縮める頑張りを見せ、チームも敗れはしたが35対45と健闘。
江村は「メダルを取れなくて残念だが、恥ずかしくない試合はできたと思う。中国に勝てない訳ではないと分かったから、これからは大事なところで点を取れる力をつけて来年の大会では3人でリベンジを果たしたい」という。また向江は「笑顔で帰ると理紗には言っていたので、勝ってメダルを持って帰りたかった」と話す。そんな思いをしたシニアの大会。彼女たちにとっては貴重な経験になった。
リオ、東京への第一歩
女子団体で銀メダルを獲得した平野美宇(左)。決勝では世界ランク5位の朱雨玲と対戦した 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
また平野も1次リーグは全4試合中3試合に出て3戦3勝。決勝トーナメントでは決勝の対中国戦にのみ登場し、3番手で現世界ランク5位の朱雨玲と対戦。シングルス準優勝でダブルス優勝の強豪を相手に0対3で敗れたが、1セット目の出だしではポイントを連取してリードを奪う場面もある「オッ!」と思わせる戦いもした。
新体操の早川さくらは世界選手権後の過密スケジュールとなったが、6位となった 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
新体操は9月26日までトルコのイズミールで世界選手権が開催されていたというハードスケジュール。彼女たちはこれまで世界選手権やワールドカップも数多く経験しているが、今回のアジア大会は競泳の朴泰桓とともに大会のマスコット的存在にもなった韓国の孫延在がいて注目度も高かった。その中で皆川が5位で早川は6位だったが、観客も多く熱狂していて緊張感もある中で、13年世界選手権5位で今年は4位の孫や、13年4位で今年は5位のトウ森悦(中国)と戦えたのはいい経験にもなったはず。得点も9月26日の世界選手権の各種目16点台前半から、16点台後半や17点台に伸ばしたのは自信にもなるはずだ。
16年のリオデジャネイロ五輪、そして20年の東京五輪。現在の中学、高校世代の選手たちは、それぞれの競技で日本代表の中核を担うことが求められる。その中で、今回のアジア大会は世界を意識した戦いの第一歩にもなったはずだ。彼らのこれからの戦いが、東京での金メダル獲得へと続いていく。