武尊vs大雅の王者対決、優弥、松倉ら参戦=11.3新生K−1の追加対戦カード発表
松倉は中国の切り込み隊長と対戦
K−1スーパーファイトに出場する戸邊隆馬、山本優弥、大雅、武尊、松倉信太郎、鈴木優也(写真左から) 【(C)K-1実行委員会】
K−1前田憲作プロデューサーから最初に発表されたスーパーファイトは松倉信太郎vs.ジャオ・フーカイの70kg Fight。フーカイは中国が誇る中量級ファイターで、長らく中国のトップファイターとして活躍。散打出身ながらサウスポーから繰り出すパワフルな左ストレート、左ミドル、左のヒザ蹴りを武器とし、K−1ルールでも強さを発揮。今年7月に中国のKunlunFightで行われた70kgの世界トーナメントに出場し、元It’s Showtime世界王者クリス・ンギンビから勝利を収めるなど、その実力は世界レベルだと言っても過言ではない。
前田プロデューサーは「フーカイ選手は中国で外国人キラーと呼ばれ、中国の切り込み隊長のような選手だと聞いています。松倉選手はK−1甲子園出身でK−1甲子園70kgで優勝したことを思い出します。僕は松倉選手の得意技は飛びヒザ蹴りだと思っていて、フーカイ選手も高速の飛びヒザ蹴りを持っているらしいので、どちらがヒザが当たるか楽しみにしています」と見どころを語る。そしてフーカイからのコメントが読み上げられた。
ジャオ・フーカイ
「日本はキックボクシング発祥の地、そして立ち技世界最強のイベントK−1は私の憧れでした。その日本でK−1に出場できる事を非常に光栄に思います。私は松倉選手がKrush YOUTH GP 2012王者、K−1甲子園2009王者であることを知っています。久保優太選手や野杁正明選手など世界的なトップファイターが出場しているKrushの王者であること、これがすでに彼の実力を証明していると思います。松倉選手は紛れもなく、私のプロ人生で戦う中で最強の選手の一人となるでしょう。私は今回が日本で初めての試合となります。日本の格闘技ファンのみなさん、自国の選手に向けるのと同様の応援を私に送ってください。皆さんにアグレッシブでエキサイティングな一戦をお見せすることを必ず約束します!」
続いて松倉が挨拶。フーカイのコメントを受けて「こんな好青年のようなことを言われると思ってなくて反応に困りました。でも日本のファンの皆さんは日本人の僕を応援してください」と笑いを誘うと「僕は昔からK−1に出たくて、K−1トライアウトを受けて、K−1のオープニングファイトに出て、K−1甲子園に出て、K−1の日本トーナメントに出て、そして今回スーパーファイトに出ることになりました。代々木第ニで試合をするのは今回が三回目で、キャリアが浅いころからチャンスをもらって強い人とやってきたのも、今回のためだったと思います。緊張もなく楽しみなので、みなさんも僕の試合を楽しみにしてください。飛びヒザ蹴りで勝ちます」とK−1参戦への意気込みを語った。
質疑応答で松倉は「中国人選手の特有の手足が長くて、謎に力が強くて、変な動きをいっぱいする。まだ20歳だけど俺より体もいかつくて背も高いのでやりにくそうだなという印象です。僕はサウスポーがあまり好きじゃないんで、試合映像を見ながら構えをスイッチするかなと思ったけど、ずっとサウスポーでままでした(苦笑)」とフーカイ=難敵だと分析。
しかし、「もし新しいK−1に出られなかったら一生ふてくされると思っていました(笑)。でも3試合しかないスーパーファイトに選ばれて、今は頑張らないといけないと思います」とK−1への想いは強く、「トーナメントには特徴がある選手がたくさんいるけど、僕の特徴は“普通”です。カッコいい選手とか怖い選手がいるけど僕は普通で、でも6割くらいの人は普通だと思うので(笑)、僕はそういう人たちに共感してもらいたい。普通というか等身大の自分がK−1で活躍していけたらなと思います」と自分らしい試合でK−1を盛り上げたいと意思表示した。
優弥vsイギリスの個性派戦士は激闘必至
前田プロデューサーはベラのキャラクターに触れつつ「K−1MAXの名勝負男である山本選手とK−1イギリス王者のベラ選手、お互い激闘派ファイターでハートが強い者同士、いい試合になるでしょう」と期待を寄せ、ベラもコメントを通じて激闘を宣言した。
ケリス・ベラ
「日本で試合をすることは小さいころからの夢だったので、今回はまたとないチャンスだと思っている。日本で、そしてK−1で試合が出来る事をとても光栄に思っている。ユウヤのようなハートの強い戦士と戦えるのはとても光栄なことだ。間違いなく日本のファンに楽しんでもらえるような激しく熱い戦いになるだろう。期待してほしい」
迎え撃つ優弥は「僕は好きな格闘技をやっているだけの人間ですが、こういう機会をもらえてうれしく思います。新しいK−1は僕が出ていたK−1 MAXとは違うけど、K−1でいろいろな成長を感じて育ててもらったという気持ちがあります。K−1ではいろんな人に見てもらえると思うし、K−1だから頑張るというわけではないですが、K−1=いろんな人に見てもらえる舞台として活躍したいと思います」と挨拶。
対戦相手のベラについて「どこまで真面目でふざけているかは分からないけど…」としつつ「試合映像を見ると前に出てきてパワフルなパンチとローの選手。前に前に出てくるゴツイ体型で、それこそ戦士のような人間でした。(ベラは)下がることなく逃げることなく戦う選手で、僕も下がったり逃げるのが得意じゃないので、ぶつかり合ってどちらかが倒れる試合になると思います。それが客観的な見方だと思いますが、僕としては倒されたら困るので倒せるように努力します」と激しい試合になると予想している。
Krush王者同士の一戦に両者とも火花
前田プロデューサーはこの王者対決を組んだ理由を「Krushでは実現できないカードをK−1で見せたい、お客さんに喜んでもらいたいと思い、出し惜しみしない姿勢で組みました」と説明し、「闘争本能むき出しの攻撃的なファイターの武尊選手と、相手に攻撃を当てさせない勘の良さと左ストレートを武器とする大雅選手。Krushでは実現しないカードとして楽しみにしています」と話す。会見では武尊・大雅どちらもK−1にかける想いを熱く語った。
武尊
「K−1は小さいころにテレビで見て、僕が格闘技を始めるきっかけになった大会です。今まで自分がやってきた全てを出してK−1で大暴れしたいと思います。僕は今までKrushに出ていて、これまで僕の試合を見てなかった人たちで僕の試合を見る人が増えると思います。僕は自分の存在をアピールして、こんなカッコいい選手がいるんだということを知ってもらいたい。K−1のチャンピオンになったら街で人だかりができて、電車にも乗れないくらいになりたいです。このK−1でそのくらい影響力がある選手になることを実現させたいです」
大雅
「僕が格闘技を始めたきっかけはK−1で、あのすごい舞台で試合をして活躍してチャンピオンになることが目標でした。今回は一からのスタートだと思うけど、自分が盛り上げる自信もあるし、自分が盛り上げるものだと思っています。次の試合は普通に勝たなきゃ話にならないと思うので、普通に勝ちます。新しいK−1を僕が見ていた時と同じようにみんなが憧れる舞台にしたいし、そうしなきゃいけないと思います。みんなが憧れる存在になりたいです」
また日本人対決ということもあって両者はコメントでも火花を散らす。大雅が「(武尊は)イケイケな感じで、打ち合って倒してという感じだけど自分にパンチは当たらない。僕は55kgのチャンピオンになったばかりで今回負けたら偽物になってしまう。でも勝てばKrushの2階級チャンピオンだと思うのでおいしいです」と言えば、武尊も「(階級を落とすことについて)減量すればいいだけの話。自分は減量がキツくないんで最高に仕上げたい。K−1は強いやつが上がってくる舞台で、その意味で今回の試合が組まれたということ。ベルトのことは意識していません。(大雅は)距離感が上手くてトリッキーだけど、僕は誰が相手でも絶対に気持ちで負けない。気持ちでボコボコにします。パンチは当てます」と対抗心を燃やした。
新世代ファイターによるプレリミナリーファイト実施
今大会では55kg Fightの戸邊隆馬vs.鈴木優也、小澤海斗vs.伊藤健人、そして杉本仁のHEAVY WEIGHT Fightの3試合が決定。会見では出場選手を代表して戸邊と鈴木が挨拶に立ち、「子供のころから憧れていたK−1ですごくテンション上がっています。戸邊選手はそつなく全部こなす選手で、僕とは噛み合うと思います。強豪ですが倒します」(鈴木)、「僕もK−1は小さなころから憧れていた舞台、夢の舞台です。K−1を見たからこそ今の自分があるし、感謝している気持ちもあります。その舞台に立てる以上、僕がK−1で花を咲かせたいと思います。鈴木選手はパンチも蹴りもあってテクニックがある選手ですが、差をつけたいと思います。(鈴木には)倒しに来て欲しいですし、僕は倒す気は満々なので楽しみにしてください」(戸邊))と意気込みを語っている。
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