低い関心も国際大会で戦う“プロ注” 代表での活躍は先に待つ飛躍への一歩

室井昌也

役割を果たす今村、石川

変則左腕の今村は、パキスタン戦で1回を3者連続三振に切り、存在感を示した 【写真:伊藤真吾/アフロスポーツ】

 ドラフトを前に今村、石川はアジア大会で存在感をどう発揮していくか。今村は「左打者が並ぶ場面、中継ぎ、ワンポイントで自分の仕事をしたいです。韓国、台湾にはいないタイプだと思うので、慣れない球の軌道を見せて打ち取っていきたいです」。
 石川は「代表では(打順が)7番を打っていて、いい場面で回ってくることが多いので、上位につなぐ役割をしたいです。国際大会だからとあまり考えず、自分がコントロールできるところだけに意識してプレーしようと思います」。
 今村は予選2試合目のパキスタン戦に5回から2番手として登板。3者連続の空振り三振を奪う好投を見せた。石川は同じくパキスタン戦に7番ファーストで出場し、5度の打席で1安打を含む4回の出塁(2四球、1エラー)。2得点を挙げ、役割を果たした。

 アジア大会は社会人野球代表でメンバーが構成されていることもあり、日本での関心は高くない。そのことについて今村は「注目される分だけプレッシャーが大きくなるので、程よい感じで良いのでは」と話す。ここまでの予選で中国、パキスタンに勝利した日本は、27日の準決勝でプロ主体の台湾または韓国との対戦が予想される。その試合に勝つと、金メダルを懸けた決勝戦に駒を進める。
「もし決勝まで行ったらですか? (全米オープンテニスでの)錦織圭くんみたいに注目されますかね? そうだとしたら、僕らは日本で注目されているとは知らずに、プレッシャーを感じずにやりたいです」

 佐竹のこの言葉に、今村と石川は笑った。
 気負わず自分らしく、世界に挑んでいる侍ジャパンのドラフト候補たち。アジア大会準決勝、そしてその先に待つ決勝で、彼らは飛躍のきっかけを得るかもしれない。

2/2ページ

著者プロフィール

1972年東京生まれ。「韓国プロ野球の伝え手」として、2004年から著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』を毎年発行。韓国では2006年からスポーツ朝鮮のコラムニストとして韓国語でコラムを担当し、その他、取材成果や韓国球界とのつながりはメディアや日本の球団などでも反映されている。また編著書『沖縄の路線バス おでかけガイドブック』は2023年4月に「第9回沖縄書店大賞・沖縄部門大賞」を受賞した。ストライク・ゾーン代表。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント