中年素人サーフィン放浪記 風雲編 僕にも弾けた……いや、できた!

芸部歩人

【スポーツナビDo】

〜前回(青春編)のあらすじ〜

「私はサーフィンが嫌いだ。」

 堂々宣言している四十目前の中年ライターにして、自称・2代目スポーツ冒険家の芸部歩人(げいぶ・あると)。サーフィンは女子に色目を使うチャラいスポーツという偏見&マイナスイメージしか持っていなかったが、今春、『上島ジェーンビヨンド』という映画を見て、サーフィンそのものが魅力的なものに思えた。

 そんな時、ウェットスーツもボードも無料レンタルOK、着の身着のまま、タオルだけ持参すれば参加できてしまうオッシュマンズのサーフィンスクールを見つけ、これ幸いと参加させてもらうことにしたのだが……

オッシュマンズスクールは女性が多い

オッシュマンズのサーフィンスクールは普段から女性参加者の方が多い 【スポーツナビDo】

 編集担当氏とライター、つねに宵っ張りで不健康な2人が鵠沼海岸へ向かうと、この日参加する方々が着々とウェットスーツを身に着け準備を進行中。重いまなこに重い足取りの我々に比べ、みなさんこれから始まるサーフィン体験に胸躍らしているのが感じられる。
 この日は全14人のうち、女性12人、男性2人という参加具合。この日は極端だったが、普段もオッシュマンズのサーフィンスクールは7:3から6:4の割合で女性の方が多いというから、やはりサーフィンそっちのけでナンパにいそしむ『上島ジェーン』(第1作)の竜ちゃんは間違っていなかったことになる。いやいや、私は第2作『上島ジェーンビヨンド』のリーダー路線なので、よこしまな思いは横にしてスクールに集中する。

マヌケな格好でプカプカと

まずはボードの上にうつぶせになってプカプカ 【スポーツナビDo】

 号令に従い準備運動を行った後で、初心者組と経験者組に分かれる。初心者組が4人、経験者組が10人と、スクールのリピーターが多いのに驚かされた。まずは先がノーズ、後ろがテールといったようにサーフボードの説明を受け、ボードは使わず体で行うボディサーフィンで波の力を体感する。

 ウルトラマンが空を飛ぶような姿勢を取るのだが、さすが先生はボードがなくても波をとらえるのが上手で、はるか砂浜まで体が運ばれていく。私はといえば波が体の上を通過するのみ。先生に促されて何度か試みるも、マヌケな格好でプカプカと水の上に浮かぶだけだった。是非もなし。

プッシュアップからボードの上に立つ練習を陸の上で反復練習 【スポーツナビDo】

 しかし、いざボードを持って海に戻ると、浮力を得やすいスポンジ製のボードということもあるのだろう、「僕にも弾けた」のジャイアント馬場さんならぬ「僕にもできた」で、波に乗ってスイスイ進む。快適である。だが、地上で乗ると安心感ある広さ・大きさのボードなのに、揺らめく波の上では揺れてどうにも心もとない。この上で立つことなんてできるのかな、という感じだ。
 何回かボードでの波乗り体験を繰り返した後で再び陸へ戻り、今度は今日の本題であるテイクオフに向け、陸上でその姿勢・運動を反復する。腹ばいの状態からプッシュアップして上体を上げ、一気に足を引き寄せ、そして立ち上がる。小学校の時やらされた「バービー」の逆のような動きだ。繰り返し行っていると、なんだか軍隊ものの映画みたいな気分になってくる。そしていよいよ海へ。いざ勝負。

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著者プロフィール

げいぶ・あると。体験系取材を中心に活動し、「2代目スポーツ冒険家」を自称する40代目前ライター。名前は映画『クリフハンガー』の主人公ゲイブ・ウォーカーから

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