中年素人サーフィン放浪記 風雲編 僕にも弾けた……いや、できた!

芸部歩人

ついにテイクオフ!

波とボードと格闘中 【スポーツナビDo】

 で、いざ立とうという段になると、腹ばいになって波に押されている時にも感じたのだが、傍で見ているより体感スピードが速い。左右にグラグラ不安定なボードをエイヤと押して立ち上がるのだが、一瞬ぐらいは立ってもその姿勢を保つことができず、すぐ海へ放り出されてしまう。

一緒にレッスンを受けていた女性は早くもロングライド、負けてられん! 【スポーツナビDo】

 そんな私をよそに、初心者組で一緒にレッスンを受けていた女性は一本目から砂浜付近までのロングライドを達成。負けてられん! と意気込むと、いらぬ力が入ったかバランスが悪くなり、3本立て続けに立つことすらできず水に叩き付けられる。無念。波に運ばれ少し立てるならまだしも、何もできず波に巻かれて終わる屈辱感といったらない。まぁ、初心者だから当たり前なのだけど。

【スポーツナビDo】

 陸上へ戻り、先生から注意点を復習し、ブートキャンプよろしく無心にテイクオフの動作を反復する。気分はビッグ・ウェンズデーだ(波は小ぶり&土曜日だったが)。

 ボードに立っても足が覚束ず、不安からつい足元を見てしまうのだが、それによりバランスが崩れていると先生から指摘を受け、ボードに立っても砂浜の方を見、よくサーフィンの映像で見るように中腰ぐらいで重心を低く保つと、「僕にもできた」! ヨロヨロとではあるが、我が身が波に乗り、陸地へ向かい運ばれていく。

【スポーツナビDo】

【スポーツナビDo】

僕にもできた! 【スポーツナビDo】

 いいもんだな、サーフィンって。

1回だけでとんだサーファー気取り

鵠沼海岸よ、また来るぜ 【スポーツナビDo】

 そしてスクールは最後に海岸のゴミ拾いをして終了。綺麗に思えても目を凝らして見ると、結構ゴミが落ちているのが意外だった。ちゃんとビーチの美化・保持にも貢献しているんだなとサーファーたちを見直してみたり。

 通常のスクールはここで終了となるが、この日は特別仕様。近くのレストランで海の幸に舌鼓を打ち、ランチ後はスクール中に撮ってもらった映像の上映会を実施。映像には下を向いてしまうクセや悪い部分が克明に記録されており、先生方のアドバイスで次回の課題が明確になった。
 次回? そう、私のサーフィンへの偏見、そして毛嫌いはあっけなく消え去り、帰りの車中ではさっそく次回スクールの日取りをチェックしていた。今夏のサーフィン再チャレンジを誓ったのはもちろん、サーフ系のTシャツや服にも抵抗がなくなった。1回やっただけなのに都合よく、とんだサーファー気取りなのだった。

2/2ページ

著者プロフィール

げいぶ・あると。体験系取材を中心に活動し、「2代目スポーツ冒険家」を自称する40代目前ライター。名前は映画『クリフハンガー』の主人公ゲイブ・ウォーカーから

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント