最後は「リズム編」。

　前後左右の様々なステップワークを踏むことで、ランニングのリズムからの変化に対応できる体を作ることを目的としています。体をゆっくり大きく動かすことも大事ですが、リズムに合わせて動かすことも大事。両方を意識する中で、体を動かす違いを確認しましょう。また、ここでは各競技の専門性に近い動きもあるので、それぞれ実践をイメージしてやってみると、より良い効果が生まれそうです。

　ブラジル体操の総仕上げとなるこのリズム編から選んだイチオシの体操は「ヒザフリ＋腕上横」。体幹部を重点的に動かす体操です。

【ブラジル体操】ヒザフリ＋腕上横 - (C)Gakken Publishing

　前を向き、足元はヒザ下の力を抜いて、たたむ・伸ばすの２ステップのリズム。そこに手の振りをつけます。片足を出したときは手を上にあげて、逆足を出したときは手を横に広げます。
　ポイントは、リズムがバラつかないように手と足を同時に動かすこと。体は真っすぐに前を向けて、上半身の動きにメリハリをつけ、２ステップのリズムがバラバラにならないようにしましょう。また、横と上に伸ばす手はピンと真っすぐです。横は肩の高さで水平に、上は耳の横から真上にあげましょう。

　ペナルティのお２人に実演していただいた３つのブラジル体操はいかがでしたでしょうか？

　この本によると、そもそもブラジル体操とは、その場で体を伸ばす“静的ストレッチ”に対し、動きながら体を伸ばす“動的ストレッチ”のこと。サッカーでよく取り入れられている動きをするので、一般的に「ブラジル体操」と呼ばれているそうです。

　ブラジル体操ことこの動的ストレッチは、ステップなど動きを入れることによって、筋肉、骨格、心肺機能へ軽度な負担をかけることができます。そのため、これから激しい運動をするための準備運動として有効と言われています。
　また、ウォーミングアップとして行うことで、体の疲労具合、どこかに張りがないか、調子が悪くないか、ボディバランスはいいか、などの状態を確認することが可能。それにより、その日に良くないところがあれば、体操で補いながらコンディションを整えられるというわけです。

　その日の一番いい状態に筋肉を起こすことが、このブラジル体操の目的。そういう意思で体操を行うことで、試合でいいプレーができたり、運動神経が良くなる。また、コンディションをしっかり確認することで、ケガの防止にもつながっていくのです。

　どんなスポーツでも、一流プレーヤーと呼ばれる選手たちはみな、ウォーミングアップから集中して努力しているもの。ウォーミングアップから正しいフォームや動きのキレが出てくると、使う筋肉の質が向上し、リズム感もよくなり、自然ときれいなフォームになります。そうして一流プレーヤーは最高の結果を出している、というわけですね。

　そういうわけで、スポーツしているみなさん。今一度、ウォーミングアップの大切さを知り、最高のパフォーマンスを引き出してみませんか？
　今回紹介した『正しいブラジル体操で運動神経がよくなる！』は、上で挙げた３つの体操以外にも内容盛りだくさんで、ブラジル体操を解説。サッカーはもちろん、各スポーツに合わせた体操の組み合わせも出ているので、大人から子どもまで、ブラジル体操はウォーミングアップの大きな手助けになることと思います。

　ちなみにですが……ブラジル体操番外編として、ワッキーさんの「男（ダン）ジル体操」も紹介！

【ブラジル体操番外編】男（ダン）ジル体操 - (C)Gakken Publishing

　体のどの部位に効果があるのかは謎ですが、この体操をすれば、きっとワッキーさんのように野性味あふれる動きができること間違いなし!?　♪男性ホルモン受信中

学研スポーツムック／1,296円（税込）

お笑いタレントのペナルティの２人がＤＶＤで実演！　ブラジルで生まれ、日本で発展し、今やさまざまなスポーツで取り入れられているウオーミングアップ「ブラジル体操」を本書は初めて体系化。ポイントをきちんと知り、毎日正しく行えば、体の柔軟性が増し、リズム感もよくなって、運動神経がどんどんよくなります！　全国のクラブチーム、部活動の選手、指導者の方々に、ぜひ読んで、見ていただきたい一冊です。