厳選! 新2歳馬の珍名・オモシロ馬名=さすがの小田切軍団 麻雀・祭シリーズも

橋本全弘

名前をつけるのはオーナーの大きな楽しみ

珍名のGIホースと言えば小田切軍団の06年高松宮記念馬オレハマッテルゼ 【写真は共同】

 ダービーが終わると、フッと気が抜けるような思いになるが、競馬サークルでは休む間もなく、新しい世代による新たな勝負の幕が切って落とされる。
 来年、2015年のダービーを目指す2012年生まれのサラブレッド達による2歳新馬戦が早くも開幕、1年間にわたる長い戦いがスタートしたのである。

 長年、競馬サークルで仕事をしている私にとってこの時期、とても楽しみにしていることがある。それがこれら2歳世代たちの登録馬名を調べ、そんな中の珍名、奇名、面白馬名をチェック、彼らの今後の活躍に思いを馳せることである。

 馬主の喜びはもちろん、愛馬が活躍することだが、もう一つ、名前を付けるのもこれまた大きな楽しみだと聞く。
 ビッグレースを勝って欲しい……という熱い思いや、ケガなく頑張ってくれればいい……の切なる気持ち……などなど。オーナーにとって子供や孫のようにさえ思えるサラブレッドの若駒たちにはオーナーたちの様々な思いが込められて名付けられるのだ。

 競走馬の名前を初めて耳にした時“変な馬名だな”と感じたとしても、それが活躍してしまうと“いい名前だなあ……”と感じてしまうから不思議。まだ、駆け出しの競馬記者だった頃に、馬名を聞いた瞬間に変な名前……と思ったのがサクラチヨノオー。相撲好きなオーナーが当時、大活躍していた横綱千代の富士にあやかって名づけたのだが、競馬のスピード感とどっしりと重量感ある関取のイメージが似つかわしくなく、変な馬名と思ったのである。それがダービーを勝ってしまったらその違和感がさっと消えてしまった。さらに、その弟がサクラホクトオー(北勝海から付けた)と名付けられた時は格好いい……と思ったから不思議である。

 そんな馬名を1頭1頭チェック、一喜一憂するのがこの時期の私の楽しみなのである。

「イイネー」「クリノヤクマン」

 馬名には流行がある。五輪イヤーやワールドカップイヤーは人気選手の名前など引き合いに出される。今年はサッカーのワールドカップイヤー。メッシやネイマールといった名前が出てくるのかと思ったが現登録馬の中にそれはなかった。
 流行語大賞もよく引き合いに出される。昨年は「じぇじぇじぇ」「倍返し」「今でしょ!」「お・も・て・な・し」が大賞に輝いたが、調べてみるとやっぱりありました。

 その名は「キングイマデショウ」

 続いて、競馬サークルで珍名、奇名を付けることで知られる小田切有一オーナーの今年の2歳世代は
「ワタシダイナマイト」
「ウソハッピャク」
「カナラズカナラズ」
「イマカイマカト」
「イイネー」
「チョコットタマイレ」と相変わらずの奇抜さだ。

またその息子さんの小田切光オーナーも
「ニンニクマン」
「ナミノリゴリタ」と親子共々珍名が好きなようだ。

 クリノの冠名で知られる栗本博晴氏。今年のクリノ軍団は麻雀シリーズで揃えた。
「クリノツーイーソー」に始まり
「クリノダイシャリン」
「クリノテツマン」
「クリノトイトイ」
「クリノヤクマン」
「クリノホンイツ」
「クリノジュンチャン」
「クリノイーソー」
 名前通り、役満や字一色が活躍すればいいのだが、先週、クリノダイシャリンがデビューして5着に敗れている。

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著者プロフィール

 1954年生まれ。愛知県出身。早稲田大学教育学部英語英文学科卒業後、スポーツニッポン新聞東京本社に入社。87年、中央競馬担当記者となり、武豊騎手やオグリキャップ、トウカイテイオー、ナリタブライアンなどの活躍で競馬ブーム真っ盛りの中、最前線記者として奔走した。2004年スポニチ退社後はケンタッキーダービー優勝フサイチペガサス等で知られる馬主・関口房朗氏の競馬顧問に就任、同オーナーとともに世界中のサラブレッドセールに帯同した。その他、共同通信社記者などを経て現在は競馬評論家。また、ジャーナリスト活動の傍ら立ち上げた全日本馬事株式会社では東京馬主協会公式HP(http://www.toa.or.jp/)を制作、管理。さらに競馬コンサルタントとして馬主サポート、香港、韓国の馬主へ日本競馬の紹介など幅広く活動している。著書に「名駿オグリキャップ」(毎日新聞社)「ナリタブライアンを忘れない」(KKベストセラーズ)などがある。

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