ランニングフォームは3つのポイントで決まる

青山剛

走り出したら感じることが大事

【青山剛】

 ここまで踏まえると、いかに走るまでの手順が大事かが理解できると思います。ポイントは「走り出すまでは考えるが、走り出したら感じる」ことです。

 正しい手順を踏めていないランナーの方に多いのは、走っている最中にフォームのことをあれこれ考え過ぎているということです。私はストレッチ、スイッチまではしっかり考えてやり、走り出したら以下の3つのポイントを確認=感じるように指導しています。

<ランニングフォームの3チェックポイント>
1)腕が下で後ろに引けているか?
2)体幹がやや前傾しているか?
3)足が体の真下に置けているか?

【青山剛】

 ここで大切なポイントは、すべて語尾が「〜いるか?」ということ。確認として感じる程度なのです。「引く!」「前傾する!」「置く!」では、確認で感じるのではなく考えてしまいます。正しい手順を踏んで走り出していれば、段々と3つのポイントをクリアしてきます。逆にこれがうまくいかない場合は、走る前の手順に必ず原因があります。

 なぜ走り出したら考えてはいけないかというと、それは運動で一番大切な「リズム」が崩れるからです。また、もう一つ大切な連動(ランニングの場合、腕振りと足の運びの連動)も崩れます。

 例えば野球の場合、バッターボックスに立った時にあれこれ考えていたらピッチャーが投げた球を打つことが難しくなるのと同じです。まずは練習でしっかり考えて行い、試合では最低限のポイントを「感じて」行うことだと、プロの方からも聞いています。そうすることで打つリズム、連動が崩れないということと、正しいランニングができるということは同じだと考えています。

 また上記3つのポイントはすべてリンクしています。従って1)ができなければ2)3)も必然的にできません。なので、1)がまずはしっかりできるように正しい手順で進めてください。

・腕がしっかり引ければ、体幹は自然と前傾し、足は真下に置かれた後、後方に地面を引くことができます。

【青山剛】

 今後ランニングが面白くなってくると、ペース感覚などを磨いていく上で少し考えることが出てきますので、フォームのことは感じる程度にしていきましょう。

「走り出したら考えるな! 感じろ!」です。

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著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

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