南部監督「アジア大会で金メダルを取る」 2014年度バレー全日本男子会見

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小田男子強化委員長代理「『若手の育成』と『発掘』が課題」

小田男子強化委員長代理は全日本男子の課題として、『若手の育成』と『発掘』を挙げた。最年少の石川(写真)らの成長に期待が集まる 【スポーツナビ】

登壇者:
小田勝美(男子強化委員長代理)
南部正司(全日本男子監督)

小田男子強化委員長代理 4月からこういう立場になり、具体的にはこれから計画を立てる。昨年はじめて外国人であるゲーリー・サトウ氏を監督に迎え、非常に熱心に指導してもらったが、結論から言えば、成績が振るわず責任を取られた。

 今、日本の男子バレーは世界ランキング17位(2014年1月発表)。しかし、すぐ下に中国や韓国がおり、実際には日本のランクはもう少し下だと思う。要因はさまざまあると思うが、次の若手有望選手が出ていないのが一番の課題。今回、南部監督は30名のメンバーのうち、25歳以下の選手を19名選んだ。「若い選手を育てること」がリオ五輪に向けた一番大きな課題であり、南部監督はそれを一番自覚している。

 また、中長期的になるが「発掘」も必要。現在もJVA(日本バレーボール協会)の発掘育成委員会というのは非常に多くの方々に努力してもらっている。その成果も出ているが、もう一段、深く掘り下げて強化をしていかなければならない。原石を磨く、素材が大事だと思う。その発掘のシステムをなんとか強化して、優秀な選手を送り込む。これがリオ五輪にもつながり、長期的に言えば東京五輪ににもつながる。そのためにもVリーグ機構、中体連や高体連に大学連といった縦割から横割の強化体制を作っていくことが重要だと思っている。

南部監督「『団結心』と『技術力』を磨いていく」

今年度の強化方針を説明した南部監督。「団結心」と「技術力」を磨いていくことを強調した 【スポーツナビ】

南部監督 現状、男子バレーが非常に厳しい状況の中スタートした。男子バレーを1日でも早く、世界の強豪と対等に戦えるチームにし、メダル獲得を目指すというのが大前提。午前中に、キックオフミーティングを行ったが、その中で選手たちには意識改革をテーマに持ってもらいたいと話した。

 バレーは高さとパワーで勝るチームが強い。考え方はそれぞれかと思うが、日本人は高さになれていない。高さやパワーで勝るチームに対して、技術と総合力で勝てる。そういった強い気持ちを持ってもらうために、考え方を少し変えてスタートしてもらいたい。例えば、ブラジルはそれぞれの選手が世界各国の所属クラブに分かれたときにそれほど高い評価を得ているわけではない。しかし、自国のナショナルチームに集まったとき、国のために誇りを持ちながら結束をし、すばらしいチームとして戦う。

 そうした「団結心」はブラジルの選手より、日本の選手のほうが高いレベルだと思っている。そういった部分を前面に引き出しながら、持ち味である「技術力」を磨いてしっかりと強化を図っていく。

 目標はアジア大会で優勝すること。4年前は優勝しているが、昨年はアジアでベスト4だったという現実もある。今話した「団結心」と「技術力」を磨きながらできるだけ早い段階で勝負をしたいと思っている。

 チームには若い選手がたくさん入っているが、ベテランの力が必要なくなったわけではない。長年代表で戦ってきた選手にはリセットの期間を設けてあげたほうがよいという判断で今回メンバーには入れていない。その間に新たな人材の発掘を考えている。若い選手は力をつけるのが早いので、チームにとってプラスになるはず。実戦をたくさん経験させながら、1日でも早く世界の舞台で戦える選手を育てて、ベテランの選手も取り入れながら強いチームを編成したい。

 強化ポイントとして特に推進したいのが「相手からサービスエースを取られないチーム」というのを打ち出していきたい。これは最終的にサイドアウトの確率を上げていくことにつながる。これによって海外チームと競り合いの試合展開に持ち込む。これができれば、日本男子バレー復活の大きな鍵になると私は確信している。粘って粘って、最後は相手がミスをするというチームを目指してやっていきたい。

 今シーズンは世界選手権に出られないこともあるので、まずワールドリーグ。新しい選手を起用しながら新戦力の育成、中堅選手のさらなるキャリアアップを図りながら試合を進めていく。ワールドリーグ終了後は合宿を海外でやることを計画しており、海外の経験を積ませ、最大の目標であるアジア大会で金メダルを取りたいと考えている。

<次ページから、質疑応答と選手のコメント>

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