歩き方を変えるだけで、足が速くなる 上達のコツ直伝!シリーズ 第1回

ACS編集部

【(c) Athlete Career Support】

 元アスリートや現役アスリート、専門家などがさまざまな競技の上達のコツを伝授するシリーズ。記念すべき第1回は、現役時代に2003年世界陸上パリ大会で競歩日本代表として出場した吉澤永一さん(西田ランニングくらぶ所属)が教える“歩き方を変えるだけで足が速くなる方法”です。吉澤さんのウォーキング講座におうかがいし、その方法を伝授いただきました!

 快晴のとある日、ランニングにつながる歩き方を学ぶため、登山家、フルマラソン経験者、ランニング初心者など、格好も運動歴もバラバラの方たちがウォーキング講座に集まりました。

 吉澤先生によると「“競歩”はフルマラソンを約3時間というペースで歩くために、無駄のない動きと技術が必要になります。ですから、ウォーキング技術を身につけることによって、足も速くなるのです!」とのこと。
 早速、吉澤先生に日常の通勤などでも実施できる歩き方を、3つのポイントに絞って教えてもらいました。

POINT(1)かかとから着地

(左)良いフォーム/(右)膝が曲がっている悪いフォーム 【(c) Athlete Career Support】

 振り出した脚はかかとから地面に着地することで、膝が自然と伸びる。膝への負担を減らし、自然と膝が伸びることで美しい歩きとなります。靴の裏全体でぺたっと着地する歩き方は膝が曲がりやすく、膝に負担がかかるので気をつけましょう。

★前から歩いてくる人に自分の靴の底を見せるつもりで歩くと、かかとからの着地がうまくいきます。

POINT(2)腕は後ろに引く

【(c) Athlete Career Support】

 二の腕・肘が体から離れていくように後ろに引く。腕を後ろに引くことで肩甲骨周辺の筋肉も動き、ウォーキングが全身運動に近づきます。

★振り子と同じ意識で後ろに引いて、前に戻す時はリラックスしてブラーンと下ろします。前に戻ってきた腕はヘソと同じ高さくらいで止まると歩きが美しく見えます。

POINT(3)後ろ足で地面を押す

後ろ足の母子球でしっかりと地面を押しているフォーム 【(c) Athlete Career Support】

 足を前に出すのではなく、後ろ足(親指の下の母子球)で地面を押すように歩く。後ろ足で地面を押すことを意識すると、普通に歩いても鍛えにくい“太ももの後ろとお尻の筋力”を使うため、歩くために必要な下半身の筋力アップが期待されます。

★母子球で押すことを意識しすぎても膝が曲がってしまうので、膝と腰が落ちない範囲で地面を押してみましょう。

【(c) Athlete Career Support】

 吉澤先生によると上記3つのポイントを毎日歩くときに意識するだけで、ランニングの時に、以下のような効果が表れてくるそうです。

・上下動の少ない効率のよいランニングフォームになる
・後ろ足で地面を押すことにより、上に逃げていた力が、前への推進力へと変わる
・お尻と体幹で体を支えられるようになり、腰高で疲れにくい走法になる


 普段の歩き方の意識をちょっと変えることで、ランニングに生かされるのです。早速、みなさんも今日から実践してみましょう! 吉澤先生のウォーキング講座は今後も不定期にて随時開催いたしますので、詳細は西田ランニングくらぶブログをご確認ください。

吉澤永一プロフィール

1980年生まれ、長野県出身。飯田高→明大→長谷川体育施設→西田ランニングくらぶ。主な競技歴は、2003年パリ世界陸上20km競歩日本代表、02年アジア選手権20km競歩金メダル。現役引退後は子供から高齢者まで幅広い年代にさまざまなスポーツを指導。現在はウォーキング・ランニングを中心にアスリートから健康作り・ダイエットを目的とした人へ指導。所属:西田ランニングくらぶ(ランニング・ウォーキングコーチ)、明治大学体育会競走部・競歩コーチ。
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著者プロフィール

元十種競技選手の奥山剛史が代表を務める、株式会社アスリート・キャリア・サポート。「スポーツはみんなを元気にする。」をコンセプトに、人とスポーツとの関わりをデザインし、躍動感あふれる社会をつくるためにさまざまなアイディアでスポーツを楽しみ愛する人を応援していきます

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