2階級を制覇した南米版「驚異の男」 WBC王者セルヒオ・マルチネスの半生
30歳を超えてから2階級を制覇
30歳を超えてから2階級を制覇した“驚異の男”セルヒオ・マルチネス 【(c)NAOKI FUKUDA】
ハグラーはmarvelous(マーベラス)と呼ばれて人気を集めたが、スペイン語圏のマルチネスはmaravilla(マラビジャ)の呼称で知られる。2月で39歳になり、現役生活もそう長くはないとみられている。マルチネス自身も「いまは確かなことは言えないが、コット戦が終わったら結論を出したい」と話している。それが現役続行なのか、あるいは引退なのか、それはマルチネス自身しか知らないことだ。
わずか5週間の練習でアマ試合に勝利
ボクシングは20歳のときに始めた。叔父の手ほどきを受けたマルチネスは、わずか5週間のトレーニングでアマチュアの試合に初出場し、勝利を収めたというから驚きだ。
アマチュア・ボクサーとなったマルチネスは、97年にはアルゼンチンの国内選手権ウェルター級で優勝。余勢を駆ってその年にハンガリーの首都ブダペストで開催された世界選手権にも出場した。しかし、のちにプロで世界王座にも挑戦するアドリアン・ディアコヌ(ルーマニア)にライト・ミドル級2回戦で敗れている。ちなみに、このときのナショナルチームのメンバーにはオマール・ナルバエス現WBO世界S・フライ級王者もいた。
3年足らずのアマチュア生活で41戦(勝敗数は不明)を経験したマルチネスは97年12月、プロに転向する。23歳の誕生日を3カ月後に控えた時期だった。
<次回に続く>
Written by ボクシングライター原功
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