蹴りたがる女子はなぜ増えた? キック系ジムに通うホントの理由

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キックボクシングジムが好調

 テレビから格闘技(キックボクシング、総合系)が消えて数年……あれだけ人気だった格闘技ブームも下火になり、大みそか恒例のビッグイベントは、今やアントニオ猪木のIGFだけ。普通に生活していても格闘技を見かけることなんて、トンとなくなってしまった。

 そんな世の中なのに、格闘技系エクササイズのジムは好調らしい。しっかりとした統計は取っていないので、あくまで“らしい”ということにしておきますが、「特にキックボクシング系のジムが増えていますよね」。そう語るのは、K−1をはじめあらゆる格闘技大会でレフェリーとしても大活躍している、スキンヘッドがトレードマークの和田良覚トレーナーだ。しかも、最近はモデルの道端アンジェリカさんがキックボクシングエクササイズの本を出版するなど、特にキック系は女性の注目を集めている。

 ランニング、ヨガ、ピラティスなど女性が好みそうなエクササイズは数あれど、なぜ蹴りたがる女性が増えているのか?

女性会員およそ4割の「HAYATO GYM」

こちらがHAYATO代表、K−1現役時代は“叩き上げのベビーフェイス”と呼ばれ女子人気も高かった 【スポーツナビDo】

 そんなことを疑問に思いつつ、今回訪ねたのは東京・目黒区にある『HAYATO GYM』。東急東横線の学芸大駅から徒歩1分にあるキックボクシングジムだ。代表を務めるのはHAYATOさん。UKF世界スーパーウェルター級王者、K-1 WORLD MAX 2008 日本代表決定T準優勝など数々の実績を持ち、またさわやかなスマイルも人気だった元トップキックボクサーである。

女性が約4割もいるHAYATOジムに潜入、写真のようにラダーを使ったトレーニングを導入しているジムは都内でも珍しいらしい 【スポーツナビDo】

 このジムはとにかく女性会員が多い。全体の4割近くが女性とのことで、「特に女性向けにジムを作ったわけではないのですが、女性が入会しやすいようにすれば、自然と男性会員も入ってくるだろうなと思って」とHAYATO会長。オープンして4年目になるが、白い壁、黄色の床は新築かと思うほどピカピカで明るく、何より汗臭くない! 女子が一般的に抱いていそうな格闘技系ジムのイメージとは正反対だ。また、入り口のドアは常に開放されており、受付が女性スタッフだから、女性でも気軽に見学できそうな敷居の低さも感じられる。

ダイエット、ストレス発散、そしてカッコいい

和田良覚トレーナー(右)は毎週木曜日の夕方にHAYATOジムで指導、和田さんのメニュー目当てでやってくる女子も多いという 【スポーツナビDo】

 さて、本題に入りましょう。なぜ、格闘技を日常的に見なくなったのにエクササイズとしてキックボクシングを選ぶ女性が増えているのか?

「ダイエット、ストレス解消にはもってこいですね。お尻、足に効果的ですし、腰のねじれを使いますので、お腹回りはかなり絞れますね」
 HAYATO会長が言うには、キックボクサーはムラなく筋肉がついており、きれいな体をしているとのこと。なるほど、思い起こせばキックボクサーは総じてシュッとした体型の選手が多い。先述した和田トレーナーも同意見だ。

「やっぱり体を捻転させますから、お腹の回りに対しては効果バツグンです。また、キックボクシングは上半身だけじゃなく足も使いますから、まさに全身運動。上から下から全身を使って動かすということはコンディションも整えられますし、絶対におススメしたいですね」

未経験者、初心者でも大丈夫! こうしてHAYATO代表自らが丁寧に指導してくれる 【スポーツナビDo】

 さらに和田トレーナーは、ストレス発散、ダイエット効果以外にも、女性がキックに注目する理由として、次のようなことを言っていた。

「もしかしたら、バンテージを巻いたり、グローブをはめたりするのはカッコよく見えますから、そういったカッコいい女性に憧れる人がキックを始めたりするのかもしれないですね。それにミットに向かって思いっきり蹴ったり、殴ったりするのは特に女性にとっては非日常的ですから、ランニングやヨガではつまらないという人がそういう刺激を求めて来るのではないでしょうか」
 また、HAYATO会長、和田トレーナーが口をそろえて語っていたのは、キックボクシングは1人でするものではないということ。コンタクトスポーツであるから、ミットを打つにしてもミットを持ってくれるトレーナーがいるわけだし、またみんなで一緒にわいわいトレーニングできることが大きな魅力の1つだという。

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習慣的にスポーツをしている人やスポーツを始めようと思っている20代後半から40代前半のビジネスパーソンをメインターゲットに、スポーツを“気軽に、楽しく、続ける”ためのきっかけづくりとなる、魅力的なコンテンツを提供していきます。

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