マンネリ感を打破するために 宇都宮徹壱の「初めてのジム通い」第3回
【イラスト:鈴木彩子】
トレーニングルームで高齢化社会を考える
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いずれにせよ、トレーニングルームでの平均年齢は、普段私が仕事をしている現場と比べると非常に高く感じられる。さながら、急速に進む日本の高齢化社会の縮図を見ているかのようだ。最近の総務省の発表によれば、日本の65歳以上の高齢者の全人口での割合が25・1%となったそうだ。ついにわが国は、4人に1人が高齢者となる社会となったわけである。
もっとも、トレーニングルームで見かけるご老人の皆さんは、定期的なトレーニングを続けているだけに、筋肉のメリハリもしっかりしていて、動作もキビキビしている。衰えとか老いといったネガティブな要素は、ほとんど感じられない。そこにいるのは、体調管理と健康増強に余念のない、21世紀の老人たちの姿であった。
体重、骨格筋量、体脂肪量にわずかな変化が
【Getty Images】
そこで意を決した私は、スタッフのカウンセリングを受けることにした。対応してくれたのは、小柄な女性スタッフ。何となく、雰囲気がなでしこジャパンの宮間あやに似ているので、ここでは「ミヤマちゃん」と呼ばせてもらう。
まずは、あらためて体重、骨格筋量、体脂肪量を測定してもらい、どれだけ変化があったのかを確認することにした(カッコ内は2カ月前のデータ。いずれもキログラム)。
・体重=77.9(79.3)
・骨格筋量=34.7(34.5)
・体脂肪量=16.2(16.6)
問題は、今後もトレーニングを続ける上でのモチベーション維持である。今のままではジムに通っていても、あまり充実感や楽しさが感じられないことをミヤマちゃんに率直に話した。すると彼女は「とてもよく分かりますよ」と頷きながら、トレーニングメニューの見直しを提案してくれた。
「たぶん宇都宮さんの場合、メニューにマンネリ感を抱いているのが原因かと思います。ですので、より効果的に筋力を付けながら、あまり飽きが来ない形で有酸素運動ができるように、メニューを組み直してみましょう」