自転車は楽しい“遊び” 「松原渓のスポーツ百景」
【松原渓】
人生初のダイエットと失敗の経験
【Getty Images】
大学に入ってからの数年間は、いろいろなダイエットに挑戦したものだ。小さいころから続けていたスポーツ漬けの生活が変わったのは中学時代。椎間板ヘルニアを患い、小学校から続けていたサッカーや部活でやっていたバレーボールをやめてからというもの、体がみるみるムチムチしていき……。ある日、全身鏡を見てショックを受けた。体重も“大台”が近づいていた。
朝食はしっかり摂るようにして、昼と夜はヘルシーなメニューを意識。ランチには野菜スティックを詰めたお弁当を持参していた。だが、無理がたたったのだろう。さすがに数週間も経つと、周囲からは「いつまでウサギのご飯を続けるの?」「顔色が悪いけど大丈夫?」と心配されるほどに。そんな生活を続けて体重はそれなりに落ちたが、無意識のうちに身体に相当な負担を強いていたようだ。毎日のジム通いは4カ月ももたず、終了(今考えると、半年もっただけでもすごい)。その後、リバウンドという悲しい体験も……。
そこで一念発起し、私は人生初のダイエットに臨んだのだ。「メリハリボディになりたい!」「下半身に脂肪がつきやすい(冷え性)体質を改善したい!」という目標を立てて、ジム通いを始めた。自分に課したのは最低でも週5日、行ける時は週7日のジム通い。仕事の前後にジムに行き、筋トレマシン1時間→ランニングマシン1時間前後→水泳30分→サウナとメニューをこなしていき、食生活は野菜中心にした。
「楽しくなければ続かない」
一方、ネガティブな面としては、無理をして空腹のまま寝るために睡眠不足になったし、鉄分不足で貧血になったり、油分不足で乾燥肌にもなった。精神的にも、過度のストレスを身体に与え続けることが良いはずがない。
張りつめた糸はいつかは切れてしまうもので、その糸を長持ちさせるためには適度な緊張感と「たるみ」をもたせることが必要だ。結局、効果的なダイエットは、バランスの良い食事と適度な運動を取り入れるのが一番という気がする。そして、頑張った後には、だらーっと過ごす休日があってもいい。
もう1つ学んだことは、「楽しくなければ続かない」ということ。だから、「楽しい」と思えるスポーツに出会えるのは幸せなことだ。前置きが長くなったが、前回のフットサルに続き、私が愛するもう1つのスポーツを紹介したい。それは「自転車」だ。