MVP獲得の富樫勇樹、視線の先はNBA bjリーグオールスターで示した存在感
地元・秋田で開催されたオールスターでMVPを獲得した富樫。コート上で躍動し、抜群の存在感を示した 【(C)AFLO SPORTS/bj-league】
「オールスターだけど、あまり緊張せず楽しめました」という富樫は、その言葉どおりコート上で躍動。初出場かつ、ホームの大歓声という独特の雰囲気に物怖じすることなく、23得点5アシストの活躍をみせ、見事MVPを獲得。スター選手が競演する大舞台で、改めてその存在感を示すこととなった。TEAM EASTを率いた秋田の中村和雄HC(ヘッドコーチ)は、試合後の会見で「あの中で動じることなくやれることがすごい。オールスターでの活躍は、彼が日本のNo.1ガードだと証明するものだった」と手放しで褒め称えた。
1番のファンは中村HC
「挑戦するのはABA(アメリカン・バスケットボール・アソシエーション)やCBA(コンチネンタル・バスケットボール・アソシエーション)じゃなく、NBAかNBADL(NBAデベロップメント・リーグ)じゃなきゃ俺はダメだと思っている。まだ若いから5年ぐらい挑戦したらいい」と考える中村HCは、試合のビデオを積極的にエージェントに送り、自分のネットワークを駆使して、富樫の海外挑戦を全面的にバックアップしている。富樫自身も「高いレベルでやりたいという意欲はあるし、タイミングをみて挑戦したい」と海外へ挑戦することに前向きだ。
フィジカルとリーダーシップの向上が必要と痛感
富樫は米国に留学しフィジカルとリーダーシップの向上が必要と痛感。多くの外国籍選手と対戦できるbjリーグを選んだ 【(C)Akita Northern Happinets/bj-league】
「身長のハンディをカバーできるだけのフィジカル面とリーダーシップの部分が自分にはまだまだ足りなかったと思います。だから希望する大学からのオファーにつながらなかったのではないかな」と当時を振り返る。しかし再び米国でプレーする夢は諦めていない。自分に足りなかった部分を埋めるため、日本でのプレーはより多くの外国籍選手と対戦できるbjリーグを選んだ。「もちろんJBL(現NBL)という選択肢もあったのですが、bjリーグは外国籍選手が多いという点が、自分にとってはとても魅力的でした」