オルフェーヴルは生産界でも人気沸騰!=すでに「予約満杯」 海外からも熱視線
早くもディープ、キンカメと並ぶフィーバーぶり
オルフェーヴルは生産界でも人気沸騰中、早くも「完売」状態だ 【写真:中原義史】
これで現役を引退することになるが、サラブレッドにとっては次なる大きな仕事が待ち受けている。言うまでもなく自らの優秀な血を後世に伝えるべく、種牡馬として“第二の人生”がスタートするのである。
種牡馬ライフはディープインパクトやキングカメハメハなどの優秀な種牡馬がけい養される日本最大のスタリオン・社台スタリオンステーション(北海道安平町)でスタートすることになるが、そのオルフェーヴルに対して早くも種付け依頼が殺到、シンジケートの60株は予約満杯状態だという。有馬記念の前に600万円の種付け価格が設定され予約受付や予約状況などは「近日発表」とされていたが有馬記念後はいきなり「満口」。それでも種付け依頼は引きも切らず「有馬記念前で600万と設定されていたんですが、あの勝ちっぷりですからね。今から申し込んだら800万円とか1000万円とか言われても当然でしょう。それでも付けたいでしょうね」と話すのは牧場関係者。GI牝馬を所有するある馬主も「種付けはディープインパクトを申し込んでいて、ダメだったらオルフェーヴルを……と考えていましたが、それも難しいみたいです」と肩を落とす。種牡馬としては未知数のオルフェーヴルながら、実績あるディープインパクトやキングカメハメハなどと肩を並べる「予約満杯」。まさしく生産界では早くもオルフェフィーバーが始まっている。
受胎した繁殖牝馬を海外から買い付けるケースも
悲願こそならなかったものの、凱旋門賞2年連続2着の実績は海外ホースマンが高く評価している 【提供:橋本全弘】
優秀なサラブレッドが必ずしも優秀な種牡馬、というわけでもなく、かつて米国馬でブリーダーズCやドバイワールドカップを優勝、16連勝も記録したシガーは約30億円の種牡馬シンジケートが組まれたが後に無精子症であることが判明。結局1頭の産駒も残すことなく引退した。
こういった手順を踏んで種牡馬人生をスタートするオルフェーヴルはすでに生産界から“引く手あまた”状態なのだが、そればかりか海外のホースマンからも熱い視線が投げかけられている。
言うまでもなく、その理由は凱旋門賞2年連続2着という実績だ。「国内での競馬も確かに強かったですが何といっても凱旋門賞2年連続2着ですからね。世界のホースマン達の脳裏にもその強さは強烈に焼きついている。そのオルフェーヴルがラストラン有馬記念で何と8馬身差の圧勝劇を演じた。今はグローバルな情報化時代。有馬記念のレース映像は世界各国に伝わりますし、改めてあの強さを見れば世界のホースマン達も種牡馬としての魅力を感じないわけがありません」と生産関係者。日本に繁殖牝馬を連れて行って種付けするということは物理的に難しいかもしれないが、オルフェーヴルを受胎した繁殖牝馬を海外から買いに来るケースは十分考えられるというのだ。