早大競走部を強くした“食”の秘訣とは!?=箱根ランナーを支える栄養管理士に聞く

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効果はすぐには出ないが「必ずやる価値はある」

選手の食事の取り方などを見ながら、変化があれば福本氏から声を掛けることもあるという 【CSPark】

――選手とのコミュニケーションで大切にしてることはありますか?

 カウンターから選手の食べ方などの様子が分かるので、同じ時間に来る選手が来なかったり、山盛りで食べる選手が食べていなかったりといった変化を見て、「最近はこうだよね」と触れるようにしています。ただ、競技の話はせずに、なるべく世間話をするようにはしていますね。試合に勝ったときは積極的に会話ができますが、調子が悪いときはそうはいかないですし。

――管理栄養士という立場の福本さんに求められている役割は何だと思いますか?

 私の仕事は日常のケアがメーンで、365日住み込みで選手のプライベートを見ています。私が監督やコーチと同じ立場だと、選手が言いたいことも言えなくなってしまうので、フランクに話せる立場でいるように心掛けています。監督やコーチとは違う、中間的な立場で選手の声や内面の部分を拾い上げるのが自分の役割なのかな、と。幹部の選手からも、「僕らの代はどう見えていますか?」と聞かれることがあるので、客観的な立場からアドバイスをしています。“より距離の近いスタッフ”という立場でいたいですね。

――最後に、管理栄養士として選手に伝えたいことを教えてください。

 以前、新入部員に対して食事に関する価値観の講演をしたことがあります。その時の選手は、おとといの練習メニューは全員覚えていても、夕飯のメニューはほとんどが覚えていない状態でした。競技の用具やプロテインにお金をかけるように、食事にも同様のウエートを置いてほしいので、「食事は、消費や浪費ではなく自己投資。意識を変えていこう」と伝えました。

 食事は、マッサージのようにすぐには効果が出ないものですが、継続して心掛けていれば、必ず2、3カ月後に効果が出てくるものです。地道な作業ではありますが、2、3カ月前に食べていたもので今の体が構成されているので、必ずやる価値はあります。それを信じて、おろそかにしないでほしいですね。

<了>

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